<昭和の食卓>ボンカレー、サイダー、ビスコ…復刻版が続々

イメージ 1

<昭和の食卓>ボンカレー、サイダー、ビスコ…復刻版が続々
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080103-00000003-maiall-bus_all

昭和に親しんだ味とともに忘れられないのが、商品のパッケージ。時代を映す復刻版が続々と登場している。駄菓子も再び脚光を浴び、懐かしの味を求める大人が増えている。【川俣享子】

 ◆ボンカレー

 ◇松山容子さん→松坂慶子さん

 日本で初めて開発されたレトルト食品「ボンカレー」は今年、40周年を迎える。07年5月、女優の松山容子さんがほほ笑む発売当時のパッケージを全国50万食限定で販売(168円)したところ、2~3週間で売り切れた。「飽食の時代にレトルトの良さを見直してほしかった」と、大塚食品(本社・大阪市)加工食品事業部の下村晃弘さん(39)は話す。

 「お湯で温めるだけのカレー」は1968(昭和43)年に誕生。素うどん50~60円に対し、80円は少し高かった。しかし、核家族化も手伝い、73(昭和48)年に年間販売1億食を達成。78(昭和53)年に香辛料やフルーツをぜいたくに使った「ボンカレーゴールド」が発売され、主流になった。

 平成に入り、03年に電子レンジで箱のまま温められるタイプが登場。05年に顔も女優の松坂慶子さんに代わった。松山さんのパッケージがいまも残るのは、人気の根強い沖縄だけ。「小麦が多く粘性が高い黄色いカレー。久しぶりだとおいしい」(下村さん)そうだ。

 ◆三ツ矢サイダー

 ◇宮沢賢治が愛飲、復刻版も登場

 淡い水色瓶に大きな赤い矢羽根の紙ラベル--。「三ツ矢サイダー」の70年代に消えたデザインを再現したアルミ缶(300ミリリットル、120円)が昨年5月、登場した。アサヒ飲料(本社・東京)との共同企画で、ダイドードリンコ(本社・大阪市)の自動販売機で販売されている「復刻堂 三ツ矢サイダー」だ。

 1884(明治17)年に市販され、明治の瓶は緑色だった。大正末には天ぷらそば15銭に対し1本23銭の高級品だったが、宮沢賢治も愛飲。昭和には水色瓶となり「宮内省(当時)御用達」のラベルも。1972(昭和47)年に紙ラベルは消え、青地に三ツ矢印が抜かれたプリント瓶となった。


 2004年に香料すべてを天然素材とした平成の味は、かんきつ系の酸味と強めの炭酸がさわやかだ。これに対し、1935(昭和10)年当時のサンプルは、リンゴ系の香りでしっかりした甘み。アサヒ飲料研究開発本部長の光田博充常務(56)は「時代に合わせ、少しずつ、がっかりされない変え方をするのがロングセラーの秘訣(ひけつ)」と話す。

 ◆ビスコ坊やは5代目

 ◇最初は10銭、食感も硬かった

 乳幼児から大人まで人気の、江崎グリコ(本社・大阪市)の「ビスコ」。発売当初の1933(昭和8)年、再生産された51(昭和26)年、売り上げが伸び始めた66(昭和41)年のパッケージが復刻されている。3個パック525円。全国17店ある「ぐりこ・や」の限定商品だ。マーケティング企画室の山崎雅夫参事(52)は、「団塊世代が懐かしみ、若い人もおしゃれと言う。01年からあり、レトロブーム便乗ではない」と言い切る。

 酵母入りビスケット「コービス」として開発され、逆さにしてビスコと名付けられた。最初は10銭だった。デザインは一貫して大きな白の丸抜きだが、柿色地から赤地に変わった。ほおを膨らませる「ビスコ坊や」も平成の5代目は目がぱっちりで、あごがほっそり。復刻版の中身は乳酸菌入りの平成の味だ。昭和の味は「レモン風味のクリームの甘さは変わらず、ビスケットの食感が硬かったのでは」(広報IR部)という。