「虎の子3兄弟マシュマロ」-虎ノ門のせんべい店で「癒し系」菓子人気に

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7月9日14時30分配信 新橋経済新聞


 虎ノ門のせんべい店「きや」(港区虎ノ門1、TEL 03-3501-9148)で、虎ノ門の地名の由来といわれる白虎をイメージした「虎の子マシュマロ」が人気を集めている。

 「きや」は昭和23年創業の老舗で、店名は江戸時代から続く酒屋だった本家の屋号「木屋」から。元々は豆を売っていたが、戦後の復興が進むのと並行してせんべい店へと衣替えした。創業時は民家の多かった虎ノ門も、官庁の多いオフィス街となり、昔からの店舗は次々と撤退。「現在も残っているのはうちとそば店の『砂場』さんくらい」と同店二代目の森田徹さんはいう。

 街の変化とともに客層もOLや会社員が多くなり、購入の目的も客先などへの進物用が増えた。「若い人にも食べてもらえるように」と、昔ながらのせんべい以外にも新製品や季節ものの開発にも力を入れてきた。有機米を使用するなど材料と製法にこだわった味に固定客が多く、売り切れになる商品もある。「虎の子 3兄弟」のマシュマロは、「虎の門の名物をつくりたい」という森田さんの思いを実現したもの。「近隣のOLさんに喜んでもらえるよう、かわいいものにしたかった」(森田さん)。

 虎ノ門は皇居周辺に数ある「門」の1つ。明治6年(1873)に撤去され、現在は門跡の一部が文部科学省脇に残るのみとなっている。この門の名は、獣神を配する四神思想(しじんしそう)によるものいわれ、江戸城の西に位置する虎ノ門は、西の獣神「白虎」にちなんだ名という(港区)。森田さんはその白虎をイメージした菓子をつくろうとしたが、素材に選んだマシュマロは形成しにくく、商品化に5年の月日がかかった。

 出来上がった「虎の子マシュマロ」は、「素材上、猛虎ではなく『癒し系』になった」(森田さん)が、そこがOLらに「かわいい」と受け、人気商品となった。種類は白のほか、ピンクと黄色があり、それぞれ中にチョコレート、イチゴジャム、ブルーベリージャムが入っている。価格は1個158円。

営業時間は9時~19時。土曜・日曜・祝日は休業。7月15日まで、送料割引サービスを行っている。