ニホンウナギ 世界初の親魚捕獲 マリアナ諸島西方で

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産卵海域で捕獲されたニホンウナギ(全長約51センチ)=水産庁水産総合研究センター提供


9月22日21時20分配信 毎日新聞

 生態に謎の多いニホンウナギの親魚が、マリアナ諸島西方の太平洋で、世界で初めて捕獲された。水産庁水産総合研究センターが22日、発表した。現場の水温や塩分濃度も分かり、養殖技術の向上にもつながるという。

 ニホンウナギの産卵については、東京大のチームが05年、同じ海域で大量の赤ちゃんウナギ(仔魚=しぎょ)を捕獲。産卵場所はほぼ特定されたが、親ウナギや卵は見つかっていなかった。

 同センターは、漁業調査船「開洋丸」(2630トン)で、今年6月と8月、大型の網を使って調査した。この結果、約150キロ離れた2地点から、ニホンウナギの雄2匹と雌1匹、性別不明な1匹の計4匹、オオウナギの雄1匹を捕獲した。この雌を調べたところ、卵巣が収縮し、残った卵もあったため、産卵後の雌と考えられた。また、9月には近くでふ化後2、3日程度の仔魚(約5ミリ)も26匹見つかった。

 親ウナギが捕獲されたのは水深200~350メートル付近(水温13~25度)、仔魚は同100~150メートル(同26.5~28度)と推定している。

 現在の人工ふ化技術では、卵から仔魚に育つ数が少なく、安定供給にはほど遠い。養殖は天然のシラスウナギに頼っているが、シラスウナギは減少している。同センターの張成年・浅海生態系研究室長は「親の生理状態や生育環境を調べることで、人工ふ化技術の向上につながるかもしれない」と話す。

 調査の詳細は、10月に横浜市で開かれる世界水産学会で発表される。【下桐実雅子】

個人の意見

ウナギの養殖も、シラスウナギを捕獲して大きく育てるのだというし(モジャコを獲ってブリにするような感じ? )、これも高価な理由のひとつかと・・・。
人工ふ化技術が向上したら、安全な国産ウナギが手ごろな価格で食べられそう。