事故米転売「被害者・美少年酒造」が三笠側から裏金30年


3月31日23時28分配信 読売新聞

 米穀加工販売会社「三笠フーズ」(大阪市)による事故米の不正転売事件で、被害を受けた熊本県城南町の酒造会社「美少年酒造」の緒方直明社長が31日夜、熊本市内で記者会見し、三笠フーズ側から30年近くにわたり、取引で生じた“裏金”を受け取っていたことを明らかにした。

 緒方社長によると、美少年酒造が国産の1等米を酒の原料米として仕入れたあと、三笠フーズのグループ会社「辰之巳」(東京)に加工を委託。辰之巳はこの米を市場で等級の低い米に買い替えて精米し、美少年酒造に納入していた。売買価格の差額を年1回、現金で美少年酒造キックバックする手口だった。

 裏金作りは、緒方社長が入社した1982年頃から行われ、毎年140万~200万円に上った。2007年には、国産の1等米30トンの加工を委託し、辰之巳から買い替え加工して生じた差額の140万円を受け取っていたという。

 緒方社長は「原料米はいずれも国産米として仕入れており、商品にも『国産米』と表示し、偽装はなかった」とする一方、「裏金は不良債権の穴埋めに使っていた。消費者を裏切る行為を長年続けていたことになり、本当に申し訳なく思う」と話し、近く辞任する意向を示した。

 石破農相は31日の閣議後記者会見で「商道徳としていかがなものか」と述べ、美少年酒造などへの聞き取り調査を始める考えを示した。

 美少年酒造事故米の不正転売事件で、製造した日本酒など一升瓶換算で計約41万本分の回収・販売停止に追い込まれ、風評被害などは1億円を超えた。地元では、被害企業として同社を支援する動きもあった。

個人の意見

おい、エイプリルフールにしても悪い冗談だな。
緒方さん、がっかりだよ。



4月17日15時56分配信 時事通信

 事故米転売事件で社長らが起訴された米粉加工会社「三笠フーズ」(大阪市、破産手続き中)から裏金を受け取っていた老舗酒造会社「美少年酒造」(熊本県城南町)が17日までに、自主再建を断念、熊本地裁民事再生法の適用を申請した。負債総額は約19億円。帝国データバンクが同日、明らかにした。申請は 16日付。
 美少年酒造は、三笠の関連会社「辰之巳」から原料を仕入れていたが、その後事故米と判明。「鬼ころし」など清酒7種8品目、計約3万本が事故米を原料に製造された可能性があり、問題が明らかになった昨年9月以降、流通分について自己回収する事態に陥った。
 しかし、緒方直明社長が先月、記者会見で「20年以上にわたり、辰之巳から毎年百数十万円から200万円の裏金をもらっていた」と認め、小売業者や消費者らの信頼を急速に失った。美少年酒造は辰之巳に精米加工を依頼していたが、同社は一部を価格の安い米に交換して精米し、美少年酒造に納入。差額を裏金として渡していた。


4月18日7時7分配信 西日本新聞

 城南町の美少年酒造熊本地裁民事再生法の適用を申請したことが明らかになった17日、同社周辺では「雇用は継続できるのか」などと不安の声が上がり、重苦しい雰囲気に包まれた。三笠フーズ大阪市)の汚染米不正転売事件で当初は「被害企業」とされたが、3月末、三笠の関連会社から「裏金」を受け取っていたことが判明、一気に消費者の信頼を失った。

 同日夕、緒方直明社長は城南町の本社工場に従業員を集め、緒方伸太郎副社長や弁護士とともに約30分にわたって、今回の経緯を説明。従業員たちは一様に暗い表情で、報道陣の問い掛けにも無言のまま、会社を後にした。

 城南町を代表する老舗企業の経営不安は、町全体を覆う。同町商工会の職員は「情報収集に努め、事態の推移を見守るしかない」と言葉少な。近くに住む女性(78)は「美少年がだめになったら、町全体がだめになったみたいな気がする。お酒を1本でも多く買って応援してあげようと思ってきたのに…。もうひと踏ん張りしてほしい」と話した。

 一方、熊本市の商店街で一報を聞いた男性(72)は「最初は被害者のように装っていただけに、消費者への背信行為は許せない。ただ(130年の)歴史がある企業だけに残念」と複雑な表情。熊本酒造組合(熊本市)の緒方哲之助・専務理事は「県産酒への信頼を回復するためにも、地道に酒造りに取り組むしかない」と述べた。

■23日に債権者向け説明会

 美少年酒造は23日午前11時から城南町の火の君総合文化センターで債権者向けの説明会を開く。

■道義的責任を感じる 社長の一問一答

 緒方社長の会見での一問一答は次の通り。

 ‐応援してくれた県民や業者への思いは。

 「私の個人的な件でこのようなことになり、本当に申し訳ないとおわびをするしかない。大変道義的な責任を感じている。何とか酒造りの技術や人材、設備を引き継ぎ、熊本の伝統文化を応援してくれるスポンサー探しに最大限の努力をする」

 ‐民事再生法を申請した心境は。

 「お客さま、社員や関係先の企業の方々に迷惑をかけた。私への不信感が美少年の商品自体の信頼を損ねてしまった」

 ‐経営責任は。

 「まずは自分が取る。製造や経理など(実務にかかわる)取締役については裁判所の意見を聞き、スポンサー企業に任せる」

 ‐破産ではなく民事再生を選んだのは。

 「社員の皆さんにこれ以上の苦労をかけてはいけないと思った。明るい未来が開けるようにということだ」

 ‐自主再建ができなかった要因は。

 「汚染米の時はあちこちから励ましの言葉を頂いた。今回は私個人で問題を起こしてしまい、そんな支援もない。前回とは状況が全く違う」

 ‐裏金の問題がなければ経営は回復したか。

 「社員のみんなの意気込みと熱意で少しずつ業績も回復して経営もやっていけたと思う」

 ‐スポンサーは何社手を挙げているのか。

 「県内外で数社。具体的な数は言えない。酒造メーカー以外からも話はある」

 ‐従業員にはどう説明したのか。

 「大変迷惑を掛けていることをおわびした。スポンサー企業が見つかるように努力するからみんな歯を食いしばって頑張ってくれと言った」

 ‐スポンサーへのセールスポイントは。

 「熊本で一番たくさんの人に飲まれ、愛されている。技術と人材と設備がある。新たなブランドとして販路を開拓すればやっていける。引き受け手があると思う」

 ‐スポンサーへの思いは。

 「『美少年』というブランドが消えるかもしれないことに大変申し訳ない気持ちだ。迷惑をかけたたくさんの人に恩返しできるような企業になってほしい」

=2009/04/18付 西日本新聞朝刊=


4月18日7時7分配信 西日本新聞


4月18日7時7分配信 西日本新聞

 三笠フーズ大阪市)の汚染米不正転売事件で同社の関連会社「辰之巳」から裏金を受け取っていた熊本県城南町の酒造会社「美少年酒造」(緒方直明社長)が熊本地裁民事再生法の適用を申請し、17日に保全命令を受けた。負債総額は約19億1000万円。申し立ては16日付で営業は継続する。緒方社長はスポンサー企業の経営譲渡に道筋が立った段階で退陣すると表明した。

 美少年酒造は3月末、原料米を安価な米に差し替える手法で辰之巳から少なくとも二十数年間、裏金を受け取っていたことが発覚し、2007年の裏金は約140万円と判明。取引先に商品撤去などの動きが拡大して売り上げが激減、自主再建を断念した。

 緒方社長は17日夜、熊本市で記者会見し「私個人が引き起こした問題で消費者を裏切ったことをおわびしたい」と謝罪した。今後1カ月をめどにスポンサーを見つけ、緒方社長以外の経営陣はスポンサーの意向に合わせて進退を検討する。申し立て代理人の弁護士はスポンサーについて「熊本県内外の複数の企業と交渉中」と述べた。

 信用調査会社の帝国データバンク熊本支店などによると、美少年酒造は1879年創業。最盛期の1987年9月期は約24億円の売り上げがあったが、日本酒の需要の落ち込みやホテル事業などの多角化路線の失敗で負債を抱え、2007年9月期は約4億5000万円の赤字に転落した。

 昨年9月に汚染米事件が発覚。熊本県や経済界の支援を受け、売り上げは一時、事件前の6割まで回復したが、3月末の裏金発覚で消費者の信頼を失った。

 08年9月期の売上高は約13億円で九州の清酒メーカーで2番目の規模。従業員54人の雇用は継続する方針。

■事業継続願っている 蒲島郁夫熊本県知事の話

 130年の歴史がある老舗。伝統が守られ、事業が継続されることを願っている。

=2009/04/18付 西日本新聞朝刊=


4月18日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 三笠フーズによる汚染米の不正転売事件で被害企業とされたが、後に別の取引で三笠側からの長年にわたる裏金受領が発覚した熊本県城南町の美少年酒造(緒方直明社長)が17日までに、熊本地裁民事再生法の適用を申請、保全命令を受けた。申し立ては16日付。負債総額は約19億円。

 帝国データバンクによると、同社は1879年創業。日本酒需要の落ち込みなどで、2008年9月期の売り上げはピーク時の5割強の約13億円にとどまった上、同年9月に三笠側からの仕入れ米に汚染米が混入していたことが表面化。裏金問題も発覚して返品が相次ぎ、事業継続は困難と判断したとみられる。美少年酒造は、風評被害で売り上げが激減。再建途中だった今年3月、少なくとも20数年間にわたって、三笠側に原料米の精米を依頼した際に一部を安価な米に差し替え、差額分を裏金として受け取っていたことが判明した。

個人の意見

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