サッポロ、ギネス契約切れで代替策 高級黒ビール、エビスに託す

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6月30日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ


 サッポロビールは29日、業務用専用の黒ビール「ヱビス スタウト クリーミートップ」を7月3日から発売すると発表した。英酒類大手のディアジオとの高級黒ビール「ギネス」の販売契約が5月末で終了したのに伴い、サッポロは高級ブランド「ヱビス」を冠に付けた新商品を代替として投入する。価格は店舗により異なるが 400ミリ当たり 600~1000円程度の見込み。

 新商品は、ヱビスビールと同じ酵母を使ったほか、炭酸ガスを通常のヱビスの半分に抑えることでコクや柔らかいな口当たりを実現したのが特徴だ。

 アルコール度数は5%で、ギネスと同様に、洋風形態の飲食店向けに売り込む。樽生の黒ビールを扱う全国8000~1万店のうち、1000店での導入を計画。年間10万ケース(1ケースは大瓶20本換算)の販売を目指す。

 サッポロは1964年からギネスを販売。2000店に出荷し、年間20万ケースの販売数量があった。ただディアジオは今年6月、より営業力のあるキリンビールに販売委託先を変更。キリンは今年31万ケースの販売を計画している。

 サッポロは、ディアジオとの契約切れに伴い、「ギネス」の喪失分を補う必要があり、自社製の業務用黒ビールを開発、発売する。同日、会見した福永勝社長は「日本を代表する黒ビールになるよう、じっくり育てたい」と強調。将来的には、家庭用にも発売する計画という。

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【予報図】

 ■3位奪還へ自社ブランド強化

 サッポロが「ギネス」の代替品として、業務用専用の黒ビールを投入するのは、ギネスの販売喪失分を自社商品で少しでも補う狙いからだ。

 サッポロは2008年(1~12月)のビール類の課税出荷数量でサントリーに抜かれ初めて4位に転落。シェアはサッポロが前年比0.7 ポイント減の11.8 %、サントリーが同1.4ポイント増の12.4%だった。両社の激しいシェア争いは今年も不変で、サッポロにとっては、年間の販売量が20万ケースとはいえ、「ギネス」分の補填(ほてん)が、競争の行方に影響を与えかねない状況にある。こうしたなか、サッポロは今年5月から、ギネス代替品としてスタウトの開発に着手し、7月の発売を決定。ギネスを失う代わりに、スタウトの味を飲食店で憶えてもらえれば、ヱビス全体の知名度が高まり、家庭用の販売にもつながるとの思惑がある。

 サッポロの今年1~6月のビール類(発泡酒第3のビール含む)の課税出荷数量は、市場全体が前年同期比を割り込む見通しの中で、「第3の好調から横ばい」(福永勝社長)。その一方で、ライバルのサントリーも第3が好調で出荷数量の差は接戦が続いている。最需要期の夏場の販売動向が年間の3位争いの行方を左右する“分岐点”となるのは確実で、両社のシェア争奪戦は一段と激しさを増しそうだ。(今井裕治)

個人の意見

先月キリンに移る「ギネス」、サッポロの店で販売継続へ朝日新聞)という報道がありましたが、こういう展開になったのですね。

ギネス缶といえば、中のフローティング・ウィジェットが入ったまま捨てていいのか、ちょっと考えちゃいませんか?