パンの再利用「ラスク」

イメージ 1


8月10日13時53分配信 産経新聞

 「パンの余りの再利用」といったイメージが強かったラスクが、今やスイーツとして売り上げを伸ばしている。パンの余りに卵白と砂糖を混ぜたものを塗る定番のイメージと違い、ラスク専用のパンで焼き上げたサクサク感やバリエーション豊かな味が楽しめるのが魅力で、専門店では幅広いファン層の行列ができるほどの人気だ。(津川綾子)


 ◆「懐かしいな」

 「ラスクか、懐かしい」。大丸東京店(東京都千代田区)に足を踏み入れた団塊世代の男性が陳列ケースをのぞき、つぶやいた。が、その姿は昔とは違う。

 50を超す和洋菓子の人気店が並ぶ同店1階スイーツ売り場にある「和楽紅屋(わらくべにや)」は有名パティシエ、辻口博啓(ひろのぶ)さんが手がける「和」のスイーツ専門店。厚さ約1センチのバケットに和の味わいを合わせた「手塗り和ラスク」は、きなこ、ゴマ、煎茶(せんちゃ)、ゆずなど10種類あり、詰め合わせで販売。6月には和三盆、本和香糖、上赤糖、三温糖の4種類の砂糖をブレンド、北海道産発酵バターで焼き上げた「和ラスク」も発売した。

 同店のラスクはスイーツ売り場で3本の指に入る人気で、「売り上げは前年比2ケタの伸び」と同百貨店の菓子担当バイヤー、宗森耕二さん(34)。「ここ1、2年で『ラスクはスイーツ』と、見方が変わった」と話す。

 ◆「これちょうだい」

 ラスクの華麗な変身を印象づけたのが、「ガトーフェスタ・ハラダ」(群馬県高崎市)だ。原田節子専務は「一昨年暮れのお歳暮シーズンから売り上げが伸び始めた」と打ち明ける。

 従来のパンの余りを使うイメージとはほど遠く、サクサクした歯触りにするため粉から開発し、ラスク専用にフランスパンを焼く。13袋26枚入りの簡易大袋タイプで945円と手ごろな価格ながら、商品名はずばり、「グーテ・デ・ロワ(王様のおやつ)」。「売れ残りパンを再利用してレジの横で売られていたのが従来のラスクのイメージ。こだわって作れば本当においしいものができ、贈答用にもなると考えた」(原田専務)

 地味なイメージのラスクが、ギフト用におしゃれに変身。パン屋から百貨店に進出したことが人気に拍車をかけた。

 松屋銀座(東京都中央区)にある店舗では平日午後3時前のおやつ時にもなると、中高年から若者まで女性の長い列ができる。「1日1000人が来店します」と吉原麻美店長(33)。「お友達にも」と2、3袋とまとめ買いする姿が目立つ。女性会社員(42)が「ちょっとおしゃれで、ご近所に配るのにちょうどいい」と話すように手土産にも使われるようになった。

 吉原店長は「ラスクの包み袋を手に『これをちょうだい』とやってくる人もいます」と話す。もらった人が買いに来るという好循環も行列を長くしているようだ。

                   ◇

 ■おいしい作り方

 ホテル「ANAインターコンチネンタル石垣リゾート」の仲大盛秀彦シェフにラスクの作り方(30枚)を聞いた。

 作り方は、〔1〕バケットを厚さ1センチに切り、はけでラム酒(適量)を塗り130℃のオーブンで15分焼き、網の上で乾燥〔2〕ボールに卵白(30グラム)を入れて泡立て、粉黒糖(150グラム)を混ぜる〔3〕(2)に粉ミルク、アーモンド粉(ともに30グラム)を合わせる〔4〕(1)のパンに(3)を塗り、130℃のオーブンで15分焼き、乾燥させる

個人の意見

 オフクロは、昔から「ラスコット」と呼んでいます。
パンの耳を揚げて、砂糖でマブした物とか、
昔のおやつって、粗末だけれど優しいお菓子がありましたね。