焼酎売上高が「過去最高」
10月3日10時15分配信 J-CASTニュース
焼酎の売上げが好調で、メーカー上位50社の2008年の売上高合計が過去最高を記録した。なかでも、芋焼酎「黒霧島」をつくる霧島酒造は前年比2ケタ増と大幅に伸びた。芋焼酎の人気が上がっていることと、値頃感のある価格も不況下で好調だった理由だ。一方、大型専門店では、安い大手酒造メーカーの焼酎も目立って売れている。
■「芋特有の味が評価されるようになった」
帝国データバンク福岡支店によると、焼酎メーカー上位50社の2008年1~12月の売上高合計は前年比3.8%増の3471億9500万円で、ピークの04年を上回り、「過去最高」を記録した。09年9月29日に発表した。帝国データバンクの企業情報データベースに収録されている企業のうち、売上高に占める焼酎比率が50%以上の企業が対象。
50社のうち半数が売上高で前年を上回り、5社については前年比2ケタ増だった。
伸び率がもっとも大きかったのは、霧島酒造(宮崎県都城市)。芋焼酎が主力で、「黒霧島」や「霧島」が有名だ。08年の売上高は前年比23.2%増の368億7200万円。03年から連続2ケタ増を続け、08年売上高ランキングでは2位を獲得した。
霧島酒造の広報担当者は、好調の理由について、
「芋焼酎は『くさい』という人が以前は結構いましたが、近年の焼酎ブームで全国に認知され、芋特有の味が評価されるようになったんだと思います。アルコール度数が20度で1.8リットルあたり1600~1700円、25度でも1800円台後半と値頃感のある価格設定ですので、景気悪化の影響を受けにくいという理由もあるでしょう。09年1月以降の出荷状況も順調です」
といっている。
続いて、伸び率が大きかったのは、芋焼酎「魔界への誘い」、麦焼酎「舞ここち」の光武酒造場(佐賀県鹿島市)が前年比21.8%増の14億400万円、芋焼酎「薩摩一」「わか松」の若松酒造(鹿児島県日置郡市)が同21.5%増の58億3700万円、芋焼酎「ハイカラさん」「おやっとさあ」の岩川醸造(鹿児島県曽於市)が同20.7%増の35億円だった。これを見ても「芋」が伸びているのがわかる。
■甲類と乙類をブレンドさせた焼酎も売れてる
焼酎には酎ハイやサワーに用いられる甲類(連続式蒸留)と、麦、芋、米を原料としロックやお湯割りで飲む乙類(単式蒸留、本格焼酎)がある。
国税庁のアルコール消費量調査によると、焼酎はビール(ビール類含む)に次いで多く、甲類、乙類を合わせた消費量は04年が9億8307万リットル、05年9億8854万リットル、06年10億22万リットル、07年10億478万リットルと年々、伸びている。
「本格焼酎では芋焼酎『黒霧島』に勢いがありますね。あとは、アルコール度数が25度、1.8リットルで1500円前後のものが売れています。一方、同価格の日本酒の場合、アルコール度数は15度です。焼酎のほうがお得感があるというのも、不景気でウケがいい理由だと思います」
河内屋酒販の酒類部長は、
「アルコール度数25度、1.8リットルで1000円前後と、本格焼酎に比べて3割ほど安く、さらにお得感があります。クセがなく切れ味のある味で、冷やして飲むのに向いていて、都市部を中心に売れています」
といっている。
ただ、焼酎なら何でもかんでも売れているというわけではなさそうだ。
「売れているのは、値頃価格、ブランドイメージ、健康志向の3点とも当てはまる商品で、明暗がはっきり分かれています」(河内屋酒販)
帝国データバンクの焼酎メーカー売上高ランキングで売上高1位だったのは、麦焼酎「いいちこ」の三和酒類(大分県宇佐市)。ところが前年比0.1%減と、4年連続でマイナスだった。帝国データバンクは、「芋焼酎の市場拡大や大手酒類メーカーの参入などの影響を受けた」と分析する。3位の芋焼酎「さつま白波」など展開する薩摩酒造(鹿児島県枕崎市)も同2.5%減で、「関東、関西方面への出荷が伸び悩んだ」としている。
個人の意見
先のブームで、いも焼酎は完全に市民権を得ましたね~。
ネット取引の拡大と、焼酎ブームの影響で、2008年度まで3年連続で全国の摘発数が20件を超え、増え続けている。「免許がいるのは知っていたが、ばれないと思った」という故意犯が大半で、国税当局は「思わぬ値がつき、味をしめて出品し続ける傾向がみえる」と分析、取り締まりを強める。
大阪国税局によると、ネットのオークションサイトでは、特に、焼酎を売買する例が目立つという。“幻の焼酎”とされる鹿児島の芋焼酎「森伊蔵」は、製造元などが定価2500円(一升瓶)で抽選販売しているが、オークションでは2万~3万円の値が付く。鹿児島の芋焼酎「魔王」、宮崎の麦焼酎「百年の孤独」なども、オークションでは定価の8~10倍にもなる。
高値に目を付け、酒を入手した個人や会社が無免許のままインターネットで販売を手がけるようになり、全国の摘発数は05年度の11件から06年度は21件に急増。07年度は22件、08年度は26件と増え続けている。大阪国税局は08年度、近畿2府4県で5件の不正を確認し、計124キロ・リットル分の無免許販売を摘発した。
同国税局によると、兵庫県内の会社員男性は、趣味で集めた焼酎などを4年間に約1000本(計約1000万円)、オークションで販売。京都府内の会社員男性は「住宅ローンの返済のために」と、ネット通販などで買い付けた人気焼酎をオークションで転売し、4年間で約3000本(約1400万円)を売った。
酒販業でない会社が、別の企業の倒産に関連して入手した酒類約52キロ・リットル(約3500万円)を同様に売った例も。
◆酒類販売業免許=酒税法上、酒類を販売する場合、販売場所を所管する税務署長から免許を受ける必要がある。個人が不要になった1本を売るなどの場合、免許はいらないが、継続的に大量にさばくなど、事実上、業として販売する場合は免許が必要。
個人の意見
規制緩和しすぎて、無秩序にならないように。