外来魚駆除で池干し ブラックバス70匹捕獲

イメージ 1


1月18日12時1分配信 毎日新聞

 ◇地元住民や研究者ら300人参加
 菰野町田光のため池「楠根ため」で17日、絶滅が危ぶまれる魚「タナゴ」の観察会と、タナゴを食べる外来魚ブラックバスの駆除を目的にした「池干し」が行われた。ブラックバスが70匹も捕獲され、タナゴにとっては依然として厳しい生息環境にあることが分かった。【井上章】
 田光地区では「田光資源と環境を守る会」(諸岡稲造会長)と東海タナゴ研究会(北島淳也代表)などが協力し、3カ所のため池でタナゴの卵の採取、ふ化、放流などを行い、保護・観察活動を続けている。池の水を抜く「池干し」もその一環で、「楠根ため」(広さ約5000平方メートル)では05年10月にも実施している。今回は、地元の自然保護団体メンバーや家族連れ、研究者ら約300人が参加。午前10時ごろから、たも網を手にほとんど水がなくなった池に入り、泥だらけになって魚を捕まえた。
 その結果、在来種はタナゴ4匹のほか、コイ9匹やフナ11匹などを捕獲。タナゴは事前に捕まえてあった40匹と合わせ44匹を確認し、前回確認した26匹を上回った。一方、ブラックバスは前回の272匹から70匹に減ったが、タナゴの個体数より多かった。
 北島代表は05年の池干しでブラックバスを駆除したことを指摘。「池の大きさに比べ在来種が非常に少ない。心ない人によるブラックバス放流が原因としか考えられない」と残念がった。
 諸岡会長も「地元だけでは監視できない。特に子供たちに環境問題に関心をもってもらう活動を続けていきたい」と話した。
 捕まえた体長約30センチのブラックバスを持たせてもらった浦部悠真君(菰野小5年)は「怖そうなのでいなくなるといい」と話していた。
〔三重版〕


2010年1月18日 中日新聞

 日本固有の淡水魚「タナゴ」の一種で環境省準絶滅危惧(きぐ)種「アブラボテ」が生息する菰野町田光の農業用ため池「楠根(くすね)ため」で、17日、泥を流し出す池干しに合わせ、水生生物の捕獲イベントがあった。5年前にすべて駆除したはずの外来魚も多く、継続した活動の必要性が浮き彫りになった。

 池干しは、水質改善などが目的の伝統的なため池の維持管理方法だったが、近年は回数が減少。5年前からは地元住民による「田光資源と環境を守る会」が、ブラックバスなど魚や貝を食べる外来魚を駆除し、在来魚が生息しやすい環境を整えようと、田光地区内のため池で順番に行うようになった。

 この日は地域の子どもたちや県内外の大学生ら300人近くが参加。水がほとんどなくなった5000平方メートルの池に入り、泥にまみれながら生き物を探した。

 アブラボテやドブガイ、カワムツなどの在来種もいたが、ブラックバス70匹など誰かが放流したとみられる魚も。守る会の諸岡稲造会長(74)は「多くの人に興味を持ってもらうことで、自然を守る監視の目が増える」と話し、取り組みの継続に意気込んでいた。

 楠根ためは農水省の「ため池百選」の候補の一つ。候補は全国で287カ所あり、2月8日までの一般投票の結果を踏まえ、百選が決まる。

(福岡範行)

1月18日朝刊

「ため池百選」
以下、Copy and Paste
「ため池百選」とは

 全国に約21万あるため池の多くは長い歴史を有し、農業用水の水源として農業の礎(いしずえ)を担うとともに、地域の文化にも深く関わり、周辺の農地や里山と一体となって多様な生物の生育・生息の場となっています。また、豊かな自然環境とのふれあい・やすらぎの場、さらには環境教育の場など、多様な役割も発揮できる場であり、地域振興の核となる可能性を秘めています。
 他方、農業者の減少・高齢化に伴い、従来のようなため池の維持管理が難しくなり、防災面での脆弱化や多様な役割の発揮が困難になることも懸念されています。
 このため、「ため池百選」を選定し、地域にとっての資源であるため池が、地域活性化の核として保全・活用される取り組みの機運を醸成するとともに、ため池の有する多様な役割と保全の必要性について国民の皆様のご理解とご協力を頂くための契機といたします。


個人の意見

ヘラ釣り場としても知られる間瀬湖も
「ため池百選」の候補になっているそうです。