web埼玉「立ち退きめぐり対立 幸手の人気釣り堀」

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 一級河川中川のほとりにある幸手市の釣り堀と河川管理者の県が、施設の撤去をめぐって対立している。半世紀にわたりレジャーを提供してきた業者は「今さら立ち退けとは理不尽。話し合いがしたい」と打開策を求めるのに対し、県側は「不法占有で、話し合いの余地はない」と法的手段に訴える構えだ。土地の所有権が民間から行政側へ移った当時の経緯もあいまいで、まさに“水掛け論”となっている。

 釣り堀は、有限会社吉羽園(坂田行夫社長)が経営する幸手市上吉羽の「フィッシングエリア吉羽園」。1955年に造成され、64年にオープンした。約7万4千平方㍍の敷地面積を有する日本最大規模の釣り堀で、ブラックバスヘラブナ、トラウト釣りを手掛ける。

 休日になると多くの釣り愛好家や家族連れが訪れる人気のレジャースポットだが、約3年前から護岸工事を理由に県から立ち退きを求められている。

 吉羽園によると、もともとは幸手町会議員だった男性が当時の東部漁業組合副組合長の承諾を得て、有料釣り堀を開業。用地は民有地だった。その後、坂田社長の父で故坂田正次郎氏が釣り堀を譲り受け、土地所有者と交渉して釣り堀拡張と整備を実施。久喜町会議員を務めた正次郎氏は、釣り堀の運営とともに周辺の廃棄物の不法投棄処理や火事、事故防止に当たってきた。

■業者「話し合いをしたい」 

 ところが79~80年に土地の所有権が県と国へ移行。82年以降、正次郎氏と県の間で補償を含めた移転交渉が何度か行われてきたものの、88年からの約20年間は音沙汰が無く、2007年3月になって再び立ち退きを言い渡されたという。

 坂田社長は「ごね得を狙っているのではなく、賃貸料を払えと言われれば払うし、工事が本当に必要なら協力もする。利用者や従業員のこともあるので、できるなら営業を続けたい。とにかく話し合いがしたい」と訴える。しかし、1月に第三者機関の土地収用委員会に話し合いによるあっせん申請を行ったが、応じられることはなかった。

■県側「不法占有 余地ない」 

一方、担当する杉戸県土整備事務所は「土地は国民共有の財産。本来なら誰でも無料で入れて、キャッチボールなどをして遊べる場所。あれだけの場所を好き勝手に使っているのは、許すわけにはいかない」と主張している。

 今回の騒動に利用客は戸惑いを隠せない。幸手市の無職岩崎弥太郎さん(68)は「定年後は週に3、4回通っている。無くなると本当に困る」。千葉県野田市の会社員北本翔馬さん(26)は「今は子どもでも安全に遊べる管理釣り場が少なくなっている。何とか残してほしい」と切実な思いを吐露する。

 県に対して話し合いによる円満解決を求める署名には、約1200人が賛同しているという。撤去・移転に掛かる費用は5億円以上に上るとみられる。

個人の意見

 知人から、同記事のことを教わって読みました。
ご報告まで。

追伸:その後、テレビ放映がありました


2010年5月2日放送
噂の現場は、50年以上も営業してきた人気の釣り堀が「不法占有している」ということで立ち退きを求められているというものでした。
釣りをする人の間では有名だというその釣り堀を訪ねてみると、およそ「不法占有」という言葉とは結びつかないほど広大で整備されたものでした。
現場を見たときの率直な感想は、「不法占有だったとしたらこんな立派な施設になるまで放ったらかしにしたら駄目なんじゃないか」というものでした。
一方で、「不法占有ということでは片付けられない理由があるからここまでになったのかも」とも思えるものでした。
残っている資料などでは、釣り堀の置かれた立場は厳しいといわざるを得ないと思います。
しかし、こうなるまで「先送り」してきた行政の責任も大きいのではないでしょうか。
ディレクター 大江裕

追伸 :

第33回G杯争奪全日本ヘラブナ釣り選手権
10月16日(日)~17日(月)
埼玉県
フィッシングエリア吉羽園