伝統製法「菩提もと」守る 正暦寺で清酒の仕込み作業


産経新聞 1月9日(日)7時57分配信
 現代の清酒造り発祥の地とされる正暦寺奈良市菩提山町)で8日、伝統製法の「菩提(ぼだい)もと」による清酒の仕込み作業が行われた。約100人の見学者も作業に参加し、新酒の完成を心待ちにしていた。

 「菩提もと」は、乳酸菌を入れた水にコメを浸し、蒸した後に浸していた水、麹と合わせた酒母で、同寺で室町時代に編み出された。大正時代に一度廃れたとされ、県内の蔵元や同寺、県工業技術センターによる研究会が平成11年に復活させた。酒母は蔵元が持ち帰り独自の酒に仕上げる。

 この日は、浸しておいた地元産のコメ約300キロを蒸し、見学者も手伝って麻布の上で冷却。麹を入れた仕込み水に冷ましたコメを入れるまでの作業が行われた。会場では「菩提もと清酒祭」も開かれ、つきたての餅や清酒が振る舞われた。

 友人と訪れた東京都渋谷区の歯科医師、枝川千春さん(50)は「途絶えた製法を再現し、蔵元がそれぞれの味に仕上げる日本酒の奥深さを感じる」と伝統的な酒造りに感心していた。

個人の意見

 「菩提もと」
>「菩提もと」は別名「水もと」とも呼ばれ、「もと」の仕込み水に乳酸菌を沸かせたものを用います。具体的には、仕込み水に生米と炊いたご飯を入れて酸性にしたものを「そやし水」と呼び、これを「もと」の仕込み水として使用します。

 「そやし水」による造りが、「菩提もと」なんですね~。