ハイボールに酒類復活託す
フジサンケイ ビジネスアイ 1月31日(月)8時15分配信
ストレートや水割りでも提供し、食事もスパゲティやデザートを用意。客単価は2600円を見込む。スピリッツ事業部の神田秀樹ウイスキー部長は「不況で外食回数が減っているが、1軒目からハイボールやストレートなどウイスキーの多様な飲み方を楽しんでほしい」と語る。
同社は、「トリスハイボール缶」で500ミリリットル缶を新たに投入。ハイボール缶全体で昨年比77%増の600万ケース(1ケース250ミリリットル24本換算)の売り上げを目指すほか、新業態の押し上げ効果で、ウイスキー全体でも16%増を目指す。
アサヒビールも、自社のニッカウヰスキーを使った「ブラックニッカクリアハイボール」の取り扱い店舗を、前年比1.7倍の5万店まで拡大。「竹鶴」「余市」などの高級品も含め、ウイスキー全体の販売数量で前年比2割増を計画する。
一方、キリンビールは輸入ウイスキーの高級感を武器に差別化を図る。「フォアローゼズ」と「I.W.ハーパー」のハイボール缶を昨年、コンビニエンスストア限定で展開したところ、40代を中心に好調だったため、3月からスーパーや量販店にも販路を拡大する。
サッポロビールは3月に「トライアングル ジンジャーハイボール」(350ミリリットル缶)を発売する。ショウガを加えた焼酎「トライアングル ジンジャー」が昨年、飲食店を中心に人気を集めたことを踏まえた。担当者は「ショウガとハイボールという意外な組み合わせはうちだけ」と意気込んでいる。
2010年のアルコール市場をみると、主力のビール類が09年比で3%減と低迷した半面、ウイスキーはハイボール人気が貢献し、前年比16%増と大幅な伸びを示した。11年もビール類の市場環境は引き続き厳しいとの見方が一般的。このため各社は酒類全体の底上げに力を入れており、ハイボールが牽引(けんいん)役を担いそうだ。(小川真由美)
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