石川・加賀毛針の老舗 伝統技術で女性魅了 アクセサリーが人気


 金沢経済新聞 (2011年06月03日)

安土桃山時代天正3(1575)年に縫い針の店として創業し、明治時代以降はアユ釣りに使う加賀毛針を製造販売する目細八郎兵衛商店(金沢市安江町)が3月、店から程近い場所に加賀毛針の技術を使ったアクセサリーの店「メボソ・フェザー・クラフト・ギャラリー」をオープンした。(2011-06-03)

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華やかなコサージュや髪飾りが並ぶ店内

 安土桃山時代天正3(1575)年に縫い針の店として創業し、明治時代以降はアユ釣りに使う加賀毛針を製造販売する目細八郎兵衛商店(金沢市安江町)が3月、店から程近い場所に加賀毛針の技術を使ったアクセサリーの店「メボソ・フェザー・クラフト・ギャラリー」をオープンした。

 加賀毛針は石川県の伝統工芸品の一つ。製造と販売を手掛けるのは同店だけで、目細勇治社長の妻、由佳さん(38)と2人の女性職人が手作業で鳥の羽を針に巻き、製品を作り出している。アクセサリーを手掛けるようになったのは十数年前からで、女性の関心を集めて毛針職人の後継者を確保するのが第一の目的だったという。

 アクセサリーは毛針同様、クジャクやヤマドリ、キジ、カラス、カモ、名古屋コーチンホロホロ鳥など多様な鳥の羽を使い、色鮮やかに仕上げる。従来は毛針やその他の釣り用具と共に商店内に置いていたが、目立たなかったことから、今春、新店を開設した。

 店舗面積は33平方メートルで、ブローチやネックレス、ピアス、コサージュなど約100点を並べる。オーダーメードで婚礼用の髪飾りも販売。価格帯は1,800円台~2万円程度。開店以来、市民や旅行者らが立ち寄り、一点一点に見入っているという。

 目細社長は「狙い通り、今春、アクセサリーのデザインに興味を持った新卒の女性社員が入社してくれた。市民や観光客の方には、金沢の伝統工芸品と知って身に着けていただければ」と話す。

 営業時間は9時30分~17時30分。火曜定休。



毎日新聞 12月22日(木)16時44分配信
 ◇ピアス、ブローチ…美しさ釣り人以外にも
 1575年創業の加賀毛針の老舗「目細(めぼそ)八郎兵衛商店」が今年3月にオープンしたアクセサリー店「メボソ・フェザー・クラフト・ギャラリー」(金沢市安江町)。伝統の技術に現代的な感覚を組み合わせた軽やかなアクセサリーが女性の人気を集めている。【宮嶋梓帆】
 加賀毛針の起源は、加賀藩の武士に奨励された鮎釣り。武士たちは多彩な毛針を考案し、美しさを競い合った。明治初期に入って釣りが一般市民に開放されると、専業の釣り針屋が登場。このころ、もとは縫い針を製造していた目細八郎兵衛商店も毛針作りを始めた。
 「この美しさを釣りをしない人にも知ってほしい」--。加賀毛針を使ったアクセサリーは約15年前から制作。08年のパリ・コレクションでは「イッセイ・ミヤケ」との共同制作にも取り組んだ。店内にはピアス、チョーカー、ブローチ、コサージュなど約100点が並ぶ。
 20代目当主の目細勇治社長(43)は「新しいものづくりが伝統を守ることにつながる。アクセサリーを通じて伝統工芸としての歴史的側面を伝えたい」と話している。
 午前9時半~午後5時半。火曜定休。問い合わせは同ギャラリー(076・255・3666)。

12月22日朝刊

個人の意見

>「この美しさを釣りをしない人にも知ってほしい」--。
>加賀毛針を使ったアクセサリーは約15年前から制作。
>08年のパリ・コレクションでは「イッセイ・ミヤケ」との共同制作にも取り組んだ

 そういえばその昔、今で言うところの「釣りガール」と思われる橘かおる嬢が、ルアーをキーホルダーにする趣味に関してノーを突きつけていた。