ハエ粉末:サナギを養殖魚の餌に


毎日新聞 2月22日(水)16時15分配信

 ◇販売目指し、ベンチャー設立
 最も一般的なハエの一種「イエバエ」のサナギを粉にして、タイやブリなどの養殖魚の餌の原料にする技術を、愛媛大南予水産研究センター(愛南町)の三浦猛教授(水族生理学)が開発した。餌の成分は魚粉が中心で、一部をハエ粉末に置き換えることで餌代を抑えられ、餌の原料になる水産資源の節約にもなる。魚の病気への抵抗力が高まる効果もあるという。三浦教授らは今月、ベンチャー企業「愛南リベラシオ」を設立し、2、3年後の販売を目指している。【野田武】
 養殖魚の餌は魚粉が主原料だが、元になるカタクチイワシなどの減少や、中国やベトナムなどでの養殖増加に伴い値段が高騰。魚粉の価格は、5年ほど前の倍の1キロ200円程度になっている。
 三浦教授らは、餌に占める魚粉の割合を25%減らし、減らした量の4分の1をハエの粉で、残りを大豆などで補った餌を作った。マダイ数千匹に与え、既存の餌で育ったマダイと比べると、肉付きは遜色なく、色合いが向上。またハエの粉には免疫を活性化する物質が含まれることも分かった。
 ハエは宮崎県の会社が豚のふんでサナギまで育て、乾燥して粉にする。安全性を考え約120度2気圧で加熱、加圧して滅菌する。
 開発された餌は三浦教授の試算で、既存の餌より1キロ当たり5・5円安い74・5円になるという。
 三浦教授は「養殖は世界中で伸びているが日本は減少傾向で、経営悪化のため廃業するところもある。効率よく育てられる餌でそういう状況を打破したい」と話している。

2月22日朝刊

個人の意見

> ハエ粉末:サナギを養殖魚の餌に

>ハエは宮崎県の会社が豚のふんでサナギまで育て、乾燥して粉にする。
>安全性を考え約120度2気圧で加熱、加圧して滅菌する。

 養魚の飼料として与えだしたら、きっと遊漁にも影響があるでしょう。