キリストの壁画、修復で悲劇
AFP=時事 8月24日(金)18時15分配信
【AFP=時事】スペインの教会にあるキリスト絵画を善意で修復し、オリジナルとは似ても似つかぬものとなってしまったことで、「世界最悪の絵画修復」とやゆされている80歳女性、セシリア・ヒメネス(Cecilia Gimenez)さんが、世界的に話題の人となっている。
ギメネスさんが「修復」した絵は、北東部ボルハ(Borja)の教会にある、スペイン人画家エリアス・ガルシア・マルティネス(Elias Garcia Martinez)が1910年に描いた「Ecce Homo(この人を見よ)」。いばらの冠をかぶせられ悲しげに天を見上げるイエス・キリストを描いたこの絵も、年月とともに傷みが目立ち始めていた。そこでギメネスさんが自主的に修復を試みたところ、顔は血色の悪いサルのようで、目鼻立ちはバランスが悪く、さらには頭を毛皮が覆っているような姿となってしまい、多くの苦情が寄せられたという。
その一方で、ヒメネスさんが「修復」したキリスト画は、世界各地のネットユーザーたちに笑いのネタを提供し、スペインでは、修復された絵の顔の部分に、スペイン国王フアン・カルロス1世(Juan Carlos I)やマリアノ・ラホイ(Mariano Rajoy)首相を埋め込んだ独自のバージョンを投稿するネットユーザーも現れた。
嘆願書サイトを立ち上げたユーザーは、修復された絵は「教会の天地創造説を巧みに批判し、新たな偶像の復活に疑問を投げかけるものだ」と同サイトでコメントしている。
だが、元のキリスト画を描いたマルティネスの孫に当たるテレサ・ガルシア(Teresa Garcia)さんは、ヒメネスさんによる修復には全く感銘していない。国営テレビRTVEのインタビューでガルシアさんは、「これまで(ヒメネスさんは)衣服以外には手をつけなかった。今回、彼女は頭部にまで手をだし、明らかに絵を台無しにしてしまった」と不満を語った。
その一方で、 ヒメネスさんの妹、エスペランサ・ヒメネス・スエコ(Esperanza Gimenez Zueco)さんは、「姉は世界で最善の信仰心をもって修復に取り組んだ」とヒメネスさんを擁護しながら、「ちょっと絵心を加えたかったのでしょう」と付け加えた。【翻訳編集】 AFPBB News
2012年08月23日18時00分 提供:ロケットニュース24
「善意で行う行動が、必ずしもいい結果をもたらすとは限らない」という教訓を教えてくれる、あるニュースが海外で話題になっている。
スペインのSanctuary of Mercy Churchという教会には、画家Elias Garcia Martinezが約100年以上前に描いた「Ecce Homo(この人物を見よ)」というイエス・キリストのフレスコ壁画があった。
しかしその壁画は湿気のせいで、18ヶ月前からぼろぼろ崩れ始め、徐々に元の姿を失いつつあった。地元に住む80代の一人の女性は、それを見て、あることを決心したそうだ。
壁画の劣化を、ただじっと見ているだけなんてできない。修復しよう!
すると彼女は、塗料と筆を手に、自らキリスト壁画修復作業を開始。教会の運営者の許可もないまま、彼女だけによる修復は着々と進められていった。そして彼女の修復がついに完了した時、それを見た人々は凍りついたという。
壁画の劣化を、ただじっと見ているだけなんてできない。修復しよう!
すると彼女は、塗料と筆を手に、自らキリスト壁画修復作業を開始。教会の運営者の許可もないまま、彼女だけによる修復は着々と進められていった。そして彼女の修復がついに完了した時、それを見た人々は凍りついたという。
なぜなら彼女の絵が、恐ろしく下手だったから! 修復後の壁画には、元のイエス・キリストの姿はどこにもなく、そこにはまるで猿のような生き物が描かれていたとその壁画を見た人は言う。
この修復を行った本人も、さすがに「これはダメだ!」と気づいたようで、文化事業を担当している市会議員Juan Maria Ojedaさんに連絡をとった。
そしてさらに悲しいことに、地元のカトリック文化財団「Centre for Borjanos」は、この壁画を描いた画家Elias Garcia Martinezの孫から、壁画修復のための寄付金を受け取っていたことが判明。つまり、あと少しでプロによる修復が開始される予定だったのだ。この事態を受けて、Centre for Borjanosのスポークスマンは次のようなことを話している。
「元々の壁画の価値はそんなに高くはありませんが、人々の愛着がつまったものでした。80代のその女性は、見たところ、自分を芸術家だと思っているようです。彼女は誰からの許可も得ず、今回の行動に至りました。教会には多くの人が訪れるので、教会はいつも公開されています。しかし見張り人がいたにもかかわらず、彼女がことを終えるまで、誰も彼女がしていることに気づきませんでした」
また今後の予定については、市会議員のJuan Maria Ojedaさんが次のようなことを話している。「彼女は善意のもと、このようなことを行ったんだと思います。来週彼女はプロの修復者と会い、今回の修復にどんなものを使ったかを説明する予定です。もし修復不可能と判断されたら、壁を壁画の写真で覆うことになると思います」
善意でやったつもりが、思わぬ惨劇を生んでしまった今回の壁画騒動。善意だけで先走って、今回のような悲劇を起こさないよう十分注意したいものだ。そう気をつけることで、今回の女性の善意も少しは報われることだろう。うん……きっと……。
(文=田代大一朗)
教会の壁に100年以上前に描かれたキリストの絵画は傷みが激しくなったため、セリア・ヒメネスさん(80)が善意で修復を申し出たが、作業の結果、変わり果てた姿になってしまった。
一方、修復前の絵を描いた画家の孫は「彼女が頭の部分を描き始めてから問題が始まりました。彼女は絵をダメにしたのです」と話している。
市は専門家を呼び、復元が可能かどうか調べるという。
CNN.co.jp 8月24日(金)10時41分配信
個人の意見
身の丈にあった、分相応の仕事をする。
チャレンジ精神は評価されることかも知れないが、迷惑を掛けてはいけない。
チャレンジ精神は評価されることかも知れないが、迷惑を掛けてはいけない。