過疎地農家、水田で甘露煮用のフナやドジョウ養殖


毎日新聞 9月1日(土)12時17分配信

 年々人口が減少して55歳以上の住民が51・4%(11年度)を占め、「準限界集落」になった恵那市笠置町毛呂窪地区の住民らが、田んぼでフナやドジョウを養殖し、新しい特産物を作る実証実験に取り組んでいる。31日には、フナとドジョウの甘露煮の試食会が開かれた。
 特産品作りに取り組んでいるのは、五平餅を製造販売している遠藤吉信さん(62)▽笠置町まちづくり委員会事務局長の藤井敏美さん(65)▽農業、安江孝道さん(61)ら。今年5月に町民の意識調査を実施したところ、「若者や子どものいない町」の実態が浮き彫りに。「どういう町にしたいか」などの設問の回答を9月末までにまとめ、地域の将来への活動指針を作成する。
 笠置町は自然に恵まれた山間部にあり、肥えた土地も多いが大きな産業もなく、若者の地元離れが著しい。原因は「農家では食えない」こと。このため遠藤さんらは、有志に呼びかけて特産品作りに乗り出した。動植物の生育を促進するという「ミネラル炭」を田んぼにまき、米の無農薬栽培を開始。川で捕獲したフナやドジョウを繁殖させて甘露煮を作ることにした。地元特産のユズを加えて香りを演出、3センチほどの稚魚を軟らかく炊き込んだ。
 まだ研究段階で、甘露煮作りも手探りだが、この日の試食会での評判はまずまず。参加者が増えて量産体制が整えば地域再生に向けた“視界”はぐっと広がりそうだ。遠藤さんは「米の価格も下がり、情勢は厳しさを増しているが、農業で生きていける環境作りに少しでも役立てば」と話している。【小林哲夫

9月1日朝刊


個人の意見

>原因は「農家では食えない」こと。
>このため遠藤さんらは、有志に呼びかけて特産品作りに乗り出した。
>動植物の生育を促進するという「ミネラル炭」を田んぼにまき、米の無農薬栽培を開始。
>川で捕獲したフナやドジョウを繁殖させて甘露煮を作ることにした。


 繁殖に失敗しちゃうと、捕獲先である「川」の生き物が減少してしまうことになるから、ご注意のほどお願い致します。