製造減の原因「スマートフォン代」「余暇の過ごし方が飲食以外」「健康ブーム」!?


産経新聞 3月10日(日)23時8分配信


 2000円(前売り試飲チケット)を払えば日本酒が1日飲み放題という“飲んべえ”には夢のようなイベントが今月16、17日、新潟市で開かれる。ズラリと並んだ越後の銘酒。関係者は多くの来場を期待している。

 雪国・新潟の早春の風物詩「にいがた酒の陣」は新潟県内約90の蔵元が一堂に会する一大イベント。新潟市中央区の新潟コンベンションセンター「朱鷺(とき)メッセ」で開催される。新たな日本酒ファンを発掘し需要増につなげることを目的に平成16年に始まり、今年で9回目。全国からパッケージツアーで訪れる人もいるほど、人気のあるイベントだ。

 年々来場者が増え、東日本大震災の影響で中止し2年ぶりの開催となった前回は来場者数が初めて10万人を超えた。会場が大混乱となったことから、今回、主催者の新潟県酒造組合は来場者を抑えるため“苦渋の選択”をした。

 これまで、試飲チケットを買うと渡される「オリジナル利きおちょこ」を各酒蔵のブースに出せば、2日間自由に試飲できたが、今回から1日のみ有効になる。当日料金も2500円と500円引き上げる。この変更で、2日間試飲に訪れていた日本酒ファンにとっては実質2・5倍の大幅値上げとなる。

 組合が作成したパンフレットで変更を知った新潟市中央区の主婦(42)は「全部の酒蔵ブースで試飲するのに昨年は2日かかった。今年は1日だけにするつもりなので、制覇できないかも」と残念がる。

 前回の酒の陣は来場者数が10万2千人と過去最高を記録し、前々回の22年開催より1万5千人増え、目標としていた9万人を大きく上回った。会場では、来場者が身動きとれないほどの混雑ぶりで、試飲を十分に楽しめない人が続出。同組合が改善策の検討を続けた結果、今回の試みに至ったわけだ。

 同組合では「入場規制までは皆さんに申し訳ないのでできない。試飲を制限するしかなかった」と話す。加えて、会場のレイアウトも変え、食べ物コーナーの一部を屋外に出したりするなどして酒蔵ブースの前の通路や空間を広げ、混雑緩和を目指す。

 前回の混乱ぶりをを踏まえれば、来場者の抑制などは仕方がないが、酒離れが深刻化する若年層への対策は怠らない。今回も新成人(昨年3月19日から酒の陣開催日までに20歳を迎えた人)を対象にに限って試飲料金を500円(1日のみ)とし、新たな“酒飲み”を増やす。

 国税庁によると、23年度の日本酒の製造量は44万472キロリットルで、ピークだった昭和48(1973)年度の142万1000キロリットルの3分の1以下に減少した。スマートフォン代がかさむ上、価値観の多様化で余暇の過ごし方が飲食以外に増えたことなどが原因で、さらに健康ブームも酒離れに拍車をかけた。

 それゆえ、量など規模は兵庫、京都に劣るものの、酒蔵数トップの新潟が「国酒」と呼ばれる日本酒の復権に果たす役割は大きい。

 酒の陣では約500種の「新潟の酒」が並ぶ。酒の陣でしか味わうことができない新潟限定の酒米「越淡麗(こしたんれい)」で仕込んだ酒が出品されるのも魅力の一つ。消費者と日本酒との接点拡大につながる酒の陣を通して、日本酒の奥深さを知ってもらい、どこまで新たなファンを増やすことができるかが重要だ。

 当日は、おちょこを片手に試飲のはしご酒で酔いしれるのは必至。特設ステージでは新潟市の老舗繁華街「古町」で、江戸時代から続く伝統と格式を誇る芸妓による華麗な舞も披露され、テンションは上がるはず。美酒も飲み過ぎれば身体に毒。昨年も酩酊して会場でダウンした来場者を何人も見た。救急車だってときには出動する。

 来場者にはぜひ、日本酒を飲みながら飲むことで、酔いを和らげる効果がある「やわらぎ水」の持参を勧めたい。簡単にいえばミネラルウオーターで、試飲チケットにも1本ついてくるが、足りない人は自腹で買って持っていこう。

個人の意見

> 国税庁によると、23年度の日本酒の製造量は44万472キロリットルで、ピークだった昭和48(1973)年度の142万1000キロリットルの3分の1以下に減少した。スマートフォン代がかさむ上、価値観の多様化で余暇の過ごし方が飲食以外に増えたことなどが原因で、さらに健康ブームも酒離れに拍車をかけた。


酒を飲まなくなったのは「スマートフォン代がかさむ」からなのか。
ふう~ん、覚えておこう。



「酒は大人の教養である」