リンゴの授粉に新兵器 弘前の農家が特許取得 青森


産経新聞 5月8日(水)7時55分配信

 ■釣りざお改良、高所も楽に

 リンゴの授粉作業に強い味方が現れた。弘前市のリンゴ農家、高橋渡さん(53)が独自の花粉交配機を開発し、特許を取得した。釣りざおを改良した伸縮自由の器具で、高所での授粉作業も楽にできる優れ物だ。高橋さんは「効率的に作業ができる」と話している。

 これまで、リンゴの授粉作業は花粉が入った瓶を首から下げ、先端にリンゴの花芽に花粉をつける白い綿状の「梵天」が付いた約30センチの棒を使っていた。ただ短いため、樹木の上の部分で作業をするためには、はしごを使わなければならないことから時間がかかり、強風のときなどは瓶から花粉を出す際に飛散してしまうこともある。

 高橋さんが開発した花粉交配機は釣りざおを改良したもので、先端に花粉が入った小さいケースをつけ、手元のレバーを押すとケースから導管を通って梵天に花粉が付着する仕組み。

 さおの長さは通常約1メートルだが、伸ばすと約1・9メートルまで長くなり、樹木の下枝から上枝まで楽に授粉作業ができる。さらに、瓶から花粉が飛び散ることも防ぐことができ、はしごを使わなくてもよいことから、作業の効率化も図れるという。

 平成23年8月に特許を出願し、約4カ月後に登録された。高橋さんは約80アールの園地で一昨年から試験的に使い始めたが、「時間もあまりかからず、作業が楽になった」と話す。今後は手元のレバー部分に振動を与えるように改良し、さらに効率化を図りたいとしている。

 今年は豪雪と低温の影響で例年に比べて開花が遅れており、高橋さんの園地でも授粉作業に入る時期が見通せない状態。それでも高橋さんは「生産量日本一の青森県のリンゴを守っていきたい」と意欲を示す。


個人の意見

 >釣りざおを改良した伸縮自由の器具で、高所での授粉作業も楽にできる優れ物だ。

 釣り竿は、時間と経費をかけて開発され、高水準の仕上がりを誇る。
今なお現在進行形で道具として進化し続けているので、何かに流用したとしても、その分野において特性を発揮するのかも知れない。