F1がレースクイーン廃止を発表!「現代の社会規範に適さない」


2/1(木) 5:39配信 THE PAGE

フォーミュラ1の公式サイトは「フォーミュラ1(以下F1)はレースクイーングリッドガール)起用を中止する」との声明を出した。「F1は、2018年のグランプリシーズンの開幕にあたり、レースクイーンを起用してきた長年の慣例を終了させる。この変更は、グランプリ週末に行われる他のモータースポーツ競技にも当てはまる」との声明を発表した。 F1は、3月25日にオーストラリアのメルボルンで開幕するが、このオーストラリアGPからレースクイーンが廃止されることになった。

 これまでは、レース前のグリッドの時間などを使って、レースクイーンが、大会プロモーターやスポンサーの広告宣伝活動を手伝い、華やかで魅力的な光景をF1グランプリにもたらしてきたが、近年、「女性蔑視ではないか」という社会的な批判の声が強まっていた。

F1商業部門のショーン・ブラッチス運営責任者は、「この素晴らしいスポーツ競技に、我々のビジョンをより反映させるため、変更を必要と感じるいくつかの分野を検証してきた。レースクイーンの起用は、F1グランプリにとって数十年にわたって定番となってきたが、この慣習は我々のブランド価値に合うものではなく、現代の社会規範と、かけ離れていると感じている。この慣習は世界中の長年の、また新しいファンを含め、F1に適しているとは思えない」とレースクイーンを廃止した理由を説明している。

 全世界のニュースメディアも、さっそくこのニュースを取り上げた。

 FOXは、「F1は2016年に米国を拠点とするリバティーメディアによって買収され、その競技の魅力を広げるべく対策を講じてきていた。(レースクイーンの中止に至る)大きな出来事の1つとして、2015年の中国グランプリで、ルイス・ハミルトンが優勝した後のシャンパンファイトでレースクイーンの1人の顔にシャンパンをかけた行為が大きく叩かれたことがある」と、2016年の中国GPで起きた“事件”に対するバッシングが起きて、欧米でレースクイーン廃止論が高まっていたという経緯を紹介した。

 レースクイーン廃止の動きは、すでにモータースポーツ界では生まれていて、オーストラリアのV8スーパーカー・シリーズは2016年にレースクイーン起用を止め、また他のプロ競技団体ではあるが、英国プロフェッショナル・ダーツ・コーポレーションも、最近になり、放送パートナーからの圧力を受けて、(入場で選手と一緒に歩く)”ウォーク・オン”ガールの起用を止めることを決断したという。

英国の高級紙、ガーディアン紙も、「現代の社会規範に矛盾する」という運営側の廃止理由コメントと共に「この動きはプロフェッショナル・ダーツ・コーポレーションが大会で選手に付き添って入場する”ウォーク・オン・ガール”の起用を止めた決断に続くもの」と、世界的な流れに沿ったものであることを伝えた。

 英国でスポーツにおける女性の立場を支援しているWomen's Sports Trust社は、この発表を受けて「レースクイーンの起用中止を決断したF1に感謝します。別のスポーツ競技も、どういう動きをすればいいのかについての明確な判断を下してくれました」とツイッターで声明を発表している。

 一方で“レースクイーン廃止”の流れに反対する意見もあるようで、前出のガーディアン紙の記事では「ダーツ(大会)でのウォーク・オン・ガール起用中止の決断に対する批判は、現在テレビで活躍する元”レースクイーン”のケリー・ブルックさんも含まれる」と伝えた。
 イングランドの人気女優であるケリー・ブルックさん(38)は、「(レースクイーンは)これまで得た中で最高の仕事の1つでした。華やかに着こなし、明らかに見栄えの良いものでしたが、それを(何かに)利用されていると感じたことはありませんでした」と、コメントしている。

 英国のBBCスポーツでは、昨年、「F1にレースクイーンは必要か」という世論調査を行ったところ、60%が「必要」と回答したという。BBCスポーツは、その結果を踏まえた上で、「社会の変化でレースクイーンの起用は、議論の対象となり、他のレースでは、女性の代わりに男性モデルやマスコットとして子供が起用されるなど新たな選択肢が試されている」と報じた。

 女性の社会進出が当たり前となり、世界的に男女の雇用均衡が進んでいる時代の流れが、ついにレースクイーンという職業を過去のものへと追いやったようだ。日本では、レースクイーンから人気タレントやアイドルが生まれてきたが、そういうパターンも消滅してしまうのかもしれない。


2/1(木) 16:48配信


 フォーミュラ・ワン(F-1)が、2018年のシーズンからグリッドガールを廃止することを、2018年1月31日、公式サイトで発表した。

 F-1側は廃止の経緯について、グリッドガールが「ブランドバリューにそぐわず、現代社会の規範と調和しない」と説明しており、その背景には「女性差別」批判があった。一方で、こうした批判に対する反発もあり、廃止の是非について議論が巻き起こっている。

■廃止理由を「現代社会の規範に合っていない」と説明

 グリッドガールレースクイーンとは異なり、レースが始まる前に参加車の前に立ち、それぞれのナンバーやドライバーの名前を掲げる女性のことで、F-1では長く伝統として親しまれてきた。

 しかし、そうした伝統に対して「差別的」と見る向きが近年生まれており、スポーツでの女性の地位向上を訴える英団体「Women Sport Trust」は、17年12月に

  「今後、より多くのマーケッターやスポンサーが、21世紀においてはグリッドガールの存在は受け入れられるものではなく、多くの男性と女性にとって不快なものであると気付くだろう。こうした時代遅れの習慣を続けることで、ボクシングや自転車、モーターレースなどは新たなファンを得る機会を逃すだろう」

と、モータースポーツグリッドガール以外にも、ボクシングのラウンドガールなども含めて批判する声明を出している。

 そうした社会的な流れを受け、F-1は1月31日の発表で、グリッドガールの廃止を発表し、その理由を

  「グリッドガールは、何十年にもわたってF-1の不可欠な要素であったが、この習慣はブランドバリューにそぐわず、また明らかに現代社会の規範に合っていない」

と説明し、3月25日からオーストラリアで始まるF-1グランプリから廃止されるとした。
「賛成かな」「これは私たちが選んだ仕事だ」

 こうした報道を受け、ツイッターでは多くの人が反応し、廃止の是非について議論が起こっている。

  「グリッドで立っているだけだし、個人的には無くてもいいと思ってるので、賛成かな」
  「F1レースを盛り上げる方法はグリッドガールである必要はないと思う」

と賛成派の声があがる一方で、

  「これで職を失う人もいるだろう」
  「顔もスタイルもステキなグリッドガールたちが各国の文化を表現することの何が蔑視なのかさっぱり」
  「仕事として好きでやってんのに外野が『女性蔑視だ!』って騒ぐのはおかしいよな」

など、批判的な意見も目立つ。

 また、当事者側もツイッターで意見を発信しており、グリッドガールとして活動しているという女性たちは

  「フェミニストたちのせいで、私たちは職を失った。私は8年間グリッドガールをしているけど、不快に思ったことは一度もない。私はこの仕事を愛しているし、そうじゃなければやっていない。誰も強制していないし、これは私たちが選んだ仕事だ」

  「必死に働き、好きなことを仕事にしている私たちにとって、とても悲しく、腹立たしい週だ」

  「『女性の権利のために戦っている』と言っている人たちが、女性に対して何をすべきで、何をすべきでないかを言うのは間違っている。PC(ポリティカルコレクトネス=政治的な正しさ)はくるってしまった」(いずれも原文は英語。編集部訳)

と、F-1側の決定について批判している。

個人の意見

 世界中の女性が「女性蔑視だ」って怒っているわけじゃなかったんだ。