マナーが悪くて、釣りができなくなる。

 ビビット|TBSテレビ
『「違法釣り人」シリーズ』というシリーズ化している問題テーマがある。
 テレビの力は絶大で「この輩と自分たちは違う」といっても、周囲の目は許さない。

 ゴミの問題も、ゴミを捨てる人は拾わないし、ゴミを拾っている人は捨てていない。
 別な人の仕業なのだが、
ゴミを拾っている人も含めて『マナーが悪いので釣り禁止』という濡れ衣の被害に遭う。

 報道番組やワイドショーでは、悪い話ばかり取り挙げられるから、
ここでは、そんな釣り人ばかりじゃないことも挙げたい(反論ではない、そういう人がいるのも事実だから)。

 十年近い付き合いになる双子の釣友は、昔からお父様が「釣りが終わったらゴミ拾い」を習慣にしてきたことで、親になった今、自分たちの子どもにゴミ拾いをさせている。
 もちろん、この一家はゴミを捨てるわけもなく、親子孫、三代にわたって何十年も拾ってきたのは他人のゴミだ。

 エサメーカーのインストラクターで、最近アドバイザーという肩書きになった釣友も、釣りの最後はゴミ拾いをしている。
 ウキの見える時間はサオを出しているから、懐中電灯で釣り座のあった場所を照らしながらの作業だが、ゴミ拾いをしながらの暗闇反省会が習慣だ。

 こういうことは枚挙に遑がないし、意識の高い釣り人はゴミなんて捨てない。

 先日(今月の話)も、友人のトーナメントにも参加する(優勝経験あり)野釣りファンの著名釣り人が平場の野釣りを楽しんでいたところ、
 目の前で荷物の整理をしてゴミをぶちまけた年配が「釣れますか」と声を掛けてきたので、それに見かねて「釣れますかの前に、先輩、ゴミを捨てないでくださいよ」と注意したら、そのゴミも拾わず「若いクセに生意気だ、歳上に対する話し方を知らない、せっかくの釣行が気分台無しだ」と怒って帰って行ったそうだ。

 これを、どう捉えるか。
世間では、どちらも釣り人を名乗っているのである。

 長年「メディアがゴミ問題を取り挙げている(何十年とエサ袋にまで印刷されている)」ため、もうとっくに捨てる人は“恥ずかしいこと”だと知っている。悪いことの自覚があってゴミを捨てるから、拾えないように捨てられてしまうこともある。こんな拾えないゴミにより、ますます環境は悪化している。

 言うまでもないのだが・・・もう、半世紀以上、何十年と釣り業界はゴミを問題にしてきている。
 しかし、たまに「メディアは釣り方ばかりじゃなく、こういう問題を取り挙げなさい」と言ってくる人がいる。気づいていないその人も含めて、すでに遙か昔から釣り具製品に記されたゴミの注意喚起を促す文章は読まれていないわけで、いつもどこかで開催されている清掃イベントは拾い集めたゴミを前にして記念写真付きで紹介掲載されているのに、こちらが言うまで思い出さない。なぜ、こうも印象が薄いのか。それは、こうした“クリーン作戦”に関する告知などの釣り情報じゃないページを、読者は興味がなくて単純に読み飛ばしているからだと言わざる得ない。そんな、興味がなくて普段は読み飛ばすページなのに、鮮明に印象が残るほど、無視できないほどガッチリと掲載したら「読むところがない」と言われて、そのメディアは“メディア丸ごと読み飛ばされる”形で売れず休刊することになるだろう。こうしたイベント、製品記載、ページは、すべてメディアやメーカーの無償・社会奉仕であり、請求先のない仕事によってつくられている。広告費など経費に換算したら相当な額だ。
 メディアはすべきことをやっているし、何十年も続けている。

 それなのに、いまだ改善されない。

 ハッキリいって、まともな話が通じる相手ではない「捨てる人」たちが、同じく釣りをしており、自分たちは釣り人として同類に見られている。

 いわれなき罪を着せられた“まともな釣り人”こそ、被害者・・・なのだが、これを水辺へ近づかない人(環境には声高)の前で口にしたら「盗っ人猛々しい」という空気が流れて、思わず怯んだ。

 でも、拾い続けるしかない。
 奇しくも当方は「コンビニエンス・ストアのダストボックスが店内へ移動」した時期に、他の業務提携も兼ねているが地域の一般廃棄物・収集運搬業と契約して、自宅前にダストボックスを常設。拾ってきたゴミを捨てる場所に困らないようにした。・・・この行動は、今まで自分がしてきたことなど、いろいろな考えがあって、せめてもの罪滅ぼしだと思っている。

 今回、このことを日記へ書こうと思ったキッカケはハラダ釣具 @harada_turigu様のtweetで、リツイートされたヨーネル・ニャンダース @NyandarsY氏のつぶやきだ。

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 ・・・これは皮肉なことだが、釣り禁止を守れるマナーのある人たちが“言われなき罪、冤罪”だと思いながらも諦めたとして、問題を起こした人は元々がマナーすら守れなかったのだから看板を無視して釣る可能性があって、実は解決に至らない。すると『釣り禁止では解決しない、魚がいるから釣りをしようとするわけで、水を抜いて魚を殺してしまおう』という最悪の判断に至るケースが懸念される。

 いわゆる駆除対策だ(この駆除ブームには恐怖すら感じている。無邪気な子どもたちが生き物を駆除する達成感を覚える前に、命の尊さを教えるべきではないか)。
 悪いことをしていない釣り人が巻き込まれ、何も悪くない魚が駆除される。
あまりに筋が違いすぎてはいないだろうか。

ごんちゃそ @chasomsr168氏のつぶやきにも、こんなのがある。
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 網を使っている人も「釣りをしている」と思うのが、釣りをしない人たちの理解だ。
これ以上、釣り人を悪者にしないで欲しいが、どうしたらいいものか。


 ビビット|TBSテレビで取りあげられた『「違法釣り人」シリーズ』の一部は以下参照(それ以前に放映された番組も含む)。

<ビビットプラス>迷惑・防波堤に不法侵入・“違法釣り ... - JCCテレビ
2018/04/18
TBSテレビ 【ビビット
ビビットプラス>迷惑・防波堤に不法侵入・“違法釣り人”
「違法釣り人」シリーズ第5弾。
今回は富山・富山市にある岩瀬漁港の防波堤で実態を直撃取材。
漁港周辺ではこれまで転落するなどして1人が死亡、6人がケガがをしているため県の港湾事務所や警察の判断で防波堤は全面立ち入り禁止にしている危険エリア。
無断で防波堤内に侵入した「釣り人」が軽犯罪法違反で摘発されている。
番組取材班はまず東防波堤(波が高いため海側には多くの波消しブロックが積まれている危険な場所)を直撃。
取材を始めて13時間後、1人の男性が車でやって来た。
有刺鉄線で覆われた高さ3メートルの立ち入り禁止のフェンスの裏手にはしごをかけてクーラーボックス片手に登って行った。
はしごは自転車のチェーンのようなものでフェンスにくくりつけていく周到さ。
番組取材班が男性を直撃すると男性は立ち入り禁止の認識はあるものの「ガンの状況なので生きている間に唯一の趣味である釣りをしたい。
きょうは釣れる日なので釣りをする」と話し防波堤内へ進んで行った。
するとまたすぐ一人の男性が同じようにはしごをかけて登り始めた。
取材班が直撃すると男性はのらりくらりと返答して防波堤内へ立ち去った。
ライフジャケットに言及。
富山市の映像。


茨城・鹿島港。長く伸びた防波堤がある。波のうねりが高く、この34年間で64人が死亡。波にさらわれて救助される件数も多い。当然ここは立ち入り禁止となっているが、それでも釣り人の不法侵入は後を絶たない。

朝ズバッ!は吠えた。「ほっとけない!」

「30センチの波だって危険だという場所でしょ。これはきびしく逮捕するしかないね」みのもんたはいい切った。

「救助する海上保安庁は、国の税金で出動しているわけですから」寺脇研も同調した。

トロールする海上保安庁の船からマイクでただちに退去するようにと呼びかける。釣り人は立ち去るそぶりを見せるが、多くは聞く耳を持たない。

「死ぬのを覚悟の上でやってんだから・・・この程度の不法行為は政治家だってやってんでしょ」

彼らにとって生命より違反行為よりも優先されるのが釣果なのだ。

防波堤の付け根部分には、もちろん注意書きが掲示されて、がっちりした鉄製の扉がある。扉には南京錠。

驚いたことに、南京錠の合鍵が1000円~1500円で売られていた。釣り人は合鍵をつかって堂々と侵入、自転車やバイクで'絶好の釣り場'へと向かう。

「鍵は取り替えるんですが、1か月もすると合鍵が出回って、大変困った現状です」(鹿島港湾事務所)

「大の大人だよ。恥ずかしいと思わないかね」ほっとけない! がなるみのもんたであった