厄介なブラックバスを高級な商品に


5/23(水) 19:18配信

MBSニュース
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 アメリカ原産のブラックバス。釣りのターゲットとして人気の一方で、鮎などの魚を食い荒らすため駆除の対象になっています。昔は捨てられるだけでしたが、近年は高級な商品に生まれ変わるなど、新たな利用法がはじまっています。

 琵琶湖に浮かぶ沖島。漁師たちはふなずしに使うニゴロブナの漁などをしながら、「嫌われ者」ブラックバスの駆除もしています。その量は年間約200トン。

 「小魚をみんな食べてしまう。こいつが多いというのはええことないわな」(漁師)

 以前、ブラックバスはすべて捨てられていましたが、少しでも活用しようと身をレストランに卸したり、漁協自らも売り出しています。

 「沖島よそものコロッケ」はブラックバスのミンチに、おからやハーブなどを加えてカラッと揚げました。

 「クリームコロッケみたいで臭みはまったくありません」(三宅立馬記者リポート)

 島に年4回やって来る男性がいます。新田芳希さん(47)、目的はブラックバスの買い付けですが、欲しいのは「身」ではなく「皮」です。皮は食用に向かず、捨てられるだけ。それを革製品にするというのです。

 新田さんは主に馬の革製品を作るメーカーの社長。趣味のブラックバス釣りで琵琶湖を訪れるうちに、駆除した魚の皮を製品に生かせないか考えるようになりました。

 「もう一回命を吹き込んで製品にしていきたいなと」(コードバン 新田芳希社長)

 まずは表面のうろこを手作業で取り除きます。馬の皮より注意が必要なのは水温。上がり過ぎると使い物にならなくなるそうです。

 「溶かしちゃったことが何回か、ぜんぜん使えなくなった。とろとろになってしまって」(新田芳希社長)

 試行錯誤を繰り返し、ようやく満足いく強度の革ができたといいます。塗装するのは釣り好きの職人。元のブラックバスを再現した色を施します。約1か月かけて、財布や名刺入れなどが出来上がります。

 「完成品です。ブラックバスの色が見事に再現されていて、うろこがとてもいい風合いを出しています」(記者リポート)

 革は使い込むほどに風合いが増すといいます。

 「経年変化が特徴、持っていてどんどん色が変化していったり、うろこがふくらんで変化していくので、楽しいんじゃないかなと思う」(新田芳希社長)

 完成した財布を島の人に見てもらうと…

 「かっこええと思わへん?」
 「ワニ革みたいやな」
 「どこにもない『沖島産』やな」
 「ブラックバスの財布買ったって、お父ちゃんに」

 「『皮』っていう発想は全くなかったですね。『買ってあげる』という方がいて、ものすごく助かっていますね。いろんな形で利用できるということがいいじゃないですか」(沖島漁協 奥村繁組合長)

 「嫌われ者・ブラックバス」の新たな魅力。決して「代用品」ではない輝きがそこにはありました。

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 ・・・う~ん。