王者 読破

 この歳になって、正月2日に山川 惣治(やまかわ そうじ)先生の『少年王者』全10巻を半日かけて読破する。


 素晴らしい挿絵と、一気に読み切ってしまう冒険活劇。
 これを半年で書いてしまったというのは、事実なのだろうか・・・。

※ 実は未完(ザンバロの話)。9巻で話が終わっているのに当時の『おもしろブック(1949年創刊)』編集者が続けさせて人気が低迷したから打ち切ったのか、10巻は微妙な話になっている。

これを猛省した後の少年シリーズ、特に少年ケニヤの物語展開では少年王者の反省が活かされているように思う。
このため少年ケニヤは白黒実写化、ラジオなど、元祖メディアミックスとも言える展開がされるまでにヒットしたのかもしれない。

山川先生が、王者や少年ケニヤで得た莫大な資産を元に始めたタイガー書房の倒産や、重なる詐欺事件被害で困窮したとき、それを知った角川氏が数作品を復刻して映画化、多額の著作権料金と映画出演で出演料も発生=自分はこの復刻で読者になった。幻魔大戦に次ぐ角川映画アニメ化もあり、映画も見に行った=させて山川先生を助けた美談は大人になってから知った。

晩年は千葉県、北総辺りにいらっしゃったと聞いている。

少年ケニヤは見事に完結していて、角川文庫発売当時、小学6年生の自分は読破した後、すべてが満たされてフーッと深く息をついてから、またページを遡った記憶がある。

いつの日か『新少年王者』、角川文庫で復刻されたはずの『少年エース』も入手したいと思う。

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 ついでに『METALLION』の『王者』特集号も読む(この号、何冊持っているんだろう。そのうち、新宿びざーるへ持ち込もう。マスターはヤンギばかり読んでいるから新鮮なはず。『炎』の王者特集は1冊だけしかないけれど)。
 同じメンバーだった人間たちから発せられる王者への不満が「そりゃ、そうだっただろうな」という内容で、本当に暴露本として傑作だ。