なぜ多くの競技者が『サナギパワー』をバッグへ忍ばせるのか

 セット釣りのブレンドパターンを訊ねると「粒とろガンの200㏄に水200㏄へ、アップと専用を・・・」という、お決まりの説法が始まる。
 では、それ以外のエサは持っていないのかと言ったら、エサバッグには他の製品も入っている。
 つまり、そのバッグに鎮座在している製品は、ブレンドのスタメンではなかったけれど、いざとなったら強力なパワーを発揮するサブのエサだといえる。
 その代表的なスーパーサブといえば、今は『サナギパワー』ではないだろうか。
 いつでもスタメンと入れ替われる実力を秘めているから、バッグに潜んでいるというわけだ。

 そこで、やはりバッグに『サナギパワー』を入れていた、髙橋秀樹氏に『サナギパワー』というエサをどう捉えているのか訊ねてみた。

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「私が所属するクラブの例会場所やトーナメントは、管理釣り場が主戦場となります。管理釣り場に入れている多くの魚は養殖されたものですから、ほぼペレット育ちであると考えて間違いないし、そういう魚の放流量が多く、しかも釣りをさせながらも配合飼料を与えている釣り場ならば、そこの魚はペレットの食いつきがよく、ペレット入りのエサで高釣果が出る傾向があります。そういうペレットで結果が出る池は、俗称で『ペレット池』と呼んでいます。こうしたペレット池と同様に、サナギ系のエサに好反応をする池は、同じ論法なら『サナギ池』となるのでしょうが、これが給餌で分かるペレットと違い、サナギ池はそれほど明確ではありません。しかし、実は“サナギに好反応する魚がたくさんいる釣り場”というのは少なくないのです。そういうサナギの効く釣り場では、濃いめにサナギを使うことで明らかにウキの動きが違います。どこが効くのかは、実際にサナギを打ってみないと定かではありません。私が『サナギパワー』を試したところ北浦渚、清遊湖、野田幸手園などでは、ウキの動きから魚が寄ってきた感触がありました。集魚効果だけでなく『サナギパワー』のバラケ性(開きのよさ)から、キレイに抜くことができることも覚えておけば、いつものエサへ少し加えて、抜き具合を調整するというアプローチも可能になってきます。いつものバラケエサだと思ったように釣れないと思ったら、大きくブレンドを変えずに『サナギパワー』の“ちょい入れ”を試してみる価値はあります」

 髙橋秀樹氏の話から、なぜ多くの競技者が『サナギパワー』をバッグへ忍ばせるのか、その理由が分かった気がする。