チューダーじゃないのかな


5/18(土) 16:00配信

マネーポストWEB

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焼酎の三ツ矢サイダー割り(奥)と牛タン焼き(特製タレ)で愉悦のひととき

「家飲み」といえば、節約のためにやるものと思われる向きもあるかもしれないが、その一方で、「むしろ自由な飲み方ができて“店飲み”よりも楽しい」という意見もある。これまで25年ほど散々外で飲んできたネットニュース編集者の中川淳一郎氏も、最近になって家飲みにハマっているという。家飲みの魅力について、中川氏がレポートする。

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 飲み屋に行くと、けっこう指定された食べ方・飲み方になるんですよね。それこそ、「味変」をしたい、と思ってもさすがにそれは店に失礼だ、と思ったりとか。「もう少し塩っけが欲しいのに……」とか、「あぁ、ここでカイエンペッパーがあったらもっとおいしいのになぁ……」とか。

 あと、私はけっこうな頻度でタイに旅行に行くのですが、東南アジアではビールに氷を入れて飲むこともありますが、あれはさすがに日本の居酒屋ではできない。タイでは気温が高過ぎるから屋外にテーブルを出すような店では氷が必要、という面があるのですが、慣れてしまえば案外と氷入りのビールの方がスッキリしておいしいと感じられたりもします。

 もちろん、泡を重視する名ビアホールのビールにそんなことはしませんが、自宅で缶ビールで飲む場合などは「まぁ、氷があってもいいのでは」ということで最近そうやって飲むのが好きになりました。いくらビールが好きでも、さすがに何本も飲むとクドくなってくるんですよね。氷入りだと、サッパリとした味わいでいくらでも飲めます。

 家飲みの場合だと、新たなる酒に自由にチャレンジできる点もいいです。この5年ほど気に入っているのが「焼酎の三ツ矢サイダー割り」です。飲み会でビールをジョッキで何杯か飲むとさすがにくどくなってきて、レモンサワーとかグレープフルーツサワーみたいなスッキリしたものを飲みたくなりますよね。

 そんな中、ある時、東京・下北沢の焼き鳥の名店でサワーを頼もうかと思ったら、確かこの店には三ツ矢サイダーがあったな……と思い、店員に「スイマセン、焼酎の三ツ矢サイダー割りってできますか?」と聞いたら「いいですよ」とのこと。

 メニューにはないのですが、これをやってみたらことのほかウマかった! いや、これ、アリでしょうよ! 自宅でサワーとかチューハイとかにする場合、その手のエキスに加え、炭酸水も買う必要がありますが、すでに三ツ矢サイダーの場合は炭酸が含まれているので炭酸水は不要。

 というわけで以後、自宅でも時々作るようになりました。もちろんキリンレモンやスプライトでも同様においしいと思いますが、あの独特な香りの三ツ矢サイダーが今の所は焼酎の割り物には最適かな、と思っています。ちなみに焼酎は、あまりクセがないものの方が、三ツ矢サイダーの香りも生きます。

 また、家飲みでいいのは、あまり店では食べられないつまみも作れることです。最近特にお気に入りなのが、牛タン焼きです。近くのスーパーで、100グラム298円で買えるんですよ。これを60グラム分(約180円分)ぐらい油を敷かないフライパンで弱火で焼き、ヒマラヤの岩塩・黒胡椒をポッカレモンで溶いたタレで食べたら嗚呼、愉悦。

 厚切りのタンを細かく切り、チマチマと特製ダレにつけ、焼酎の三ツ矢サイダー割りと氷入りビールで食べながら仕事をするのが本当に人生の幸せの極みであります。

 あと、家飲みは何しろカネがかからない! 三ツ矢サイダーも安い店では500mlのペットボトル1本100円で買えますし、高級氷を使ったとしても、焼酎も含めて写真のグラスで1杯80円ほどでしょう。しかも「厚焼き牛タン」なんてものを頼んだらそこそこの値段を取られるもの。

 どうせ給料が上がらないのであれば、こうして自宅で好きなものを好きにアレンジする飲みをやるってのもアリじゃないでしょうか。

個人の意見
 トキワ荘の漫画家たちが楽しんだ、トキワ荘『チューダー』じゃないかな。