小麦高騰で注目度UP!“米粉”メニューは普及するか?

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6月10日12時0分配信 R25

世界的な小麦相場の高騰を受け、農林水産省は今年4月から輸入小麦の国内売り渡し価格を30%引き上げた。これをきっかけに、小麦を原料とするパンや麺類といった食品の値上げが続出。一方で、年々消費量が減少する米の国内価格は下落している。米と小麦の価格差が縮まるなか、小麦粉の代替品として「米粉」を使うアイデアが注目されている。

米粉とは、文字通りうるち米やもち米を砕いて粉にしたもの。日本では、古くからだんごや大福といった和菓子の原料として使われてきた。そんな米粉が、どこまで小麦粉の代わりになるのか? 高い製粉技術を持つ群馬製粉の山口社長に聞いてみた。

「米と小麦は同じイネ科の植物で、成分もよく似ています。ただ、国産の米粉には“つなぎ”になる成分グルテンが含まれておらず、熱を加えると餅になってしまう性質のために、従来は単体でパンや麺などに加工するのは不可能とされていたんです。現在は製粉技術の向上によって、薄力粉と同じように使える米粉や、国産米100%のパスタやラーメンなども作れるようになりました。国産米粉でパンや麺を作ると、舌触りが滑らかでモチっとした食感になるのが特徴です」

そのほかいろいろな料理にも使えるということで、筆者は粉モノの王道「お好み焼き」を作ってみることに。薄力粉の代わりに米粉を使い、水と卵を加えて生地を作成。キャベツや豚肉とまぜ合わせてフライパンでじっくり加熱すると、あっという間にお好み焼きが完成! 小麦粉に比べると味わいは軽くてややあっさり気味だが、フワッとした生地の焼け目からおせんべいのような香ばしさが漂って、意外な美味しさだ。

06年度の米粉の生産量は、年間10万3000トン、輸入小麦の総量のわずか2%程度だったが、農林水産省は将来的に100万トンを視野に入れて増産支援を行う予定だという。米あまりの解消と食料自給率の向上を結びつける米粉普及の動きが今後も高まれば、米粉メニューを口にする機会は増えてくるかもしれない。
(R25編集部)