LIV MOON


12月21日7時56分配信 産経新聞


 ■宝塚を離れ「自由自在」

 穏やかなアコースティックな調べが流れたかと思えば、突然ギターやドラムの轟音(ごうおん)が響く。クラシックとヘビーメタルが融合した「シンフォニック・メタル」のグループ「LIV MOON」のボーカルを務める。

 2つのジャンルを縦横無尽に行き来する演奏に負けず、声も高音から低音まで自由自在。「ロックでは色々な声質を使えるので楽しい」と話す。平成16年まで所属していた宝塚歌劇団では、男役として低音パートしか歌えなかった。その鬱憤(うっぷん)を晴らすかのような自由な歌声が作品に表れている。

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 宝塚ファンの叔母に連れられ、何度も見た宝塚の舞台。「夢の世界だった。ショーにもほかの劇団にはないスピード感があった」とあこがれ、高校卒業後に宝塚音楽学校に入った。しかし、けがに泣かされた。卒業前、文化祭のけいこ中にひざを負傷。舞台に立ち続けようと手術をせずに痛みに耐えながら、だましだまし生活していたが長くは続かなかった。やがてファンからもひざの異常を指摘され、手術に踏み切った。

 皮肉にも手術で舞台からしばらく離れたことが、新たな道を選ぶきっかけになった。リハビリに励んでいたとき、たまたま海外にミュージカルを見に行った。普通に生活を楽しみながら、舞台に立つ出演者たち。人種はばらばら、太っている人もいれば、やせている人もいた。とにかく自由さを感じた。

 「宝塚では周囲と動きや表情を合わせないといけないところがあり、それは良いところでもあるんですが、逆に自分を押し殺す部分もありました」。男役だったため、得意である高音のソプラノパートを歌う機会もない。本当に自分がやりたいことを探すため、宝塚退団を決めた。

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 その後、声楽を学ぶため留学した英国で出合ったのが、シンフォニック・メタルだった。ミュージカル「オペラ座の怪人」でおなじみの「The Phantom Of The Opera」をスウェーデンのグループが演奏する様子に衝撃を受けた。「この曲は大体、きれいなソプラノで歌うんですが、女性ボーカルは力強く怪人役の男性と対等に歌っていた。『自由でかっこいい』と思いました」。自分らしく自由に歌えることに魅力を感じた。

 それから4年。昨年12月、知人の紹介でシンフォニック・メタルのシンガーを探しているというディレクターと出会い、デビューに至った。ロックについてはそれほど詳しくなく、戸惑いも感じながら、「曲の順番なんかも『みんなでどうしよう』と(バンドのメンバーで)一つの舞台の作品を作っているかのような感覚ですごく面白い」。回り道をしながらも、ようやく見つけた道を突き進んでいる。(森本昌彦)





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DOUBLE MOON

個人の意見

 なんと、才能に恵まれて順風満帆なのかと思いきや、挫折を経験していたんですね~。
表現者として、挫折経験は宝だと思います。


12月18日9時29分配信 BARKS

10月に幕張メッセで開催された<LOUD PARK 09>に出演し、大反響を呼んだLIV MOON。元タカラジェンヌがメタルを歌うという異色の経歴とAkane Liv(岡本茜)の美貌に、マスコミ媒体にも広く取り上げられて話題となったLIV MOONが、12月16日にデビュー・アルバム『DOUBLE MOON』をリリースした。


LOUD PARK 09>出演決定時はまったく未知の存在だったLIV MOONだったが、4オクターブの本格派クラシカル・ソプラノヴォイスでシンフォニック・メタルを歌うその神秘的ともいえる姿に、多くのオーディエンスが瞬く間に魅了された。

そんなLIV MOONのデビュー・アルバム『DOUBLE MOON』は、HR/HM専門誌『BURRN!』のCDレビューで高得点を記録するなど、各方面で高い評価を得ているほか、Akane Livのブログには、スウェーデンの人気へヴィメタルバンド・ハンマーフォールの元ベーシストで、スウェーデングラミー賞にノミネート歴もあるマグナス・ローゼンが、LIV MOONについて熱いコメントを寄せている。実はマグナスは、Akane Livがスウェーデンで暮らしていた頃の幼馴染で、今でも交流があるという。ヘヴィメタルの聖地イエテボリに生まれ、幼馴染がヘヴィメタルバンドで大成功を収めているという環境にあるAkane Livにとって、元タカラジェンヌからシンフォニック・メタルへの転身は、意外というより必然だったのかもしれない。

LOUD PARK 09>出演後は表立った活動をしていなかったLIV MOONだが、2010年3月3日に東京・Shibuya O-EASTで初ワンマンライヴが決定。<LOUD PARK 09>で魅せた神秘的かつ圧巻のステージを、今度はもっと間近で長い時間観ることができるとは、なんとも嬉しい限りだ。とはいえ、チケットのプラチナ化は必至。気合を入れて争奪戦に備えていただきたい。

<LIV MOON ワンマンライヴ>
日時:2010年3月3日(水)Open 18:00/Start 19:00
会場:東京・Shibuya O-EAST
チケット:¥5,500(税込/オールスタンディング/別途1ドリンク代)
一般プレイガイド発売:2010/1/30(日)
[問]クリエイティブマン 03-3462-6969