岐阜県 ウシモツゴ放流


12月27日13時1分配信 毎日新聞
 ◇「60年代の自然」求めて
 「外来魚のブラックバスによって在来魚がすめなくなった池の生態系を昔のように戻したい」。環境保護団体「美濃生態系研究会」の会長、三輪芳明さん(58)は、環境省レッドリストの絶滅危惧(きぐ)1A類に指定されているウシモツゴ(コイ科)を放流できる池を関市周辺で探している。ウシモツゴ二枚貝の保護を通じて1960年代の自然の復活を目指しているのだ。
 私の子どものころがちょうど60年ごろ。当時は友達と川で泳ぎながら魚を追い、池では大勢の人がフナやモロコ、タナゴ釣りを楽しんでいた。ところが、今はほとんどの池でブラックバスが繁殖し、釣り人はルアーによるバス釣りばかり。三輪さんの気持ちがよく分かる。
 ウシモツゴは県内でも関市周辺のため池に細々と生息しているだけ。11月と12月、県内で最も古いかんがい用ため池・中池(関市黒屋、719年建造)と坂田池(同市池尻)で、地元自治会などが相次いで池干しをした。三輪さんら研究会のメンバーも協力したが、捕獲されたのはブラックバスブルーギルばかり。中池に以前から生息していた在来魚はほとんどいなくなり、谷の水が流れ込む最上流部に、動きが速く捕食されにくいオイカワがいただけ。「ドジョウすらいなかった」と、三輪さんは嘆く。
 池の状態に危機感を感じた三輪さんは04年、関市内でウシモツゴを20年前から飼育していた地元の人から20匹を譲り受けて繁殖させた。以来、在来魚が消えた池に放流し続けている。今月10日には、同会や県河川環境研究所などで構成する「ウシモツゴを守る会」が提供したウシモツゴ約500匹を、美濃市立大矢田小学校4年生の協力で、学校近くの大池に放流した。
 この日、大矢田小は、ウシモツゴを飼育している同市内の藍見小学校からウシモツゴの寄贈を受け、市内2校目の飼育校となった。少しずつだが在来魚保護の輪は広がり、現在では関市周辺でウシモツゴが生息する池は7カ所に増えた。
 活動を続ける三輪さんには、バス釣り愛好家から「釣り場を奪わないでほしい」「池干しの後、バスを池に戻して」などの電話がかかる。しかし、三輪さんは「バスと在来魚は共存できない。昔のように魚がわき出るような豊かな川や池にしたい」と力を込める。私も未来の子どもたちが、身近な池や川で日本在来の魚を追うことができる自然が戻ることを願っている。【宮田正和】=つづく

12月27日朝刊

個人の意見

 年末も取り上げられている「外来魚問題」。
一部では、アメリカからきたもの繋がりで、釣り人の「キチ問題(基地・釣りキチ)」と言われているとか・・・。 

 なんて書いていたら、雪が降ってきた~。
念のために、チェーンの準備(もう、スパイクがサビサビなんだよなあ~)をしなくては~。

 それでは、よいお年を~。