知名度不足の「118番」


5月1日0時14分配信 産経新聞

 5月1日で運用開始から10年を迎える海の事件・事故用の緊急通報番号「118番」が、なかなか浸透しない。昨年の有効通報は過去最多に上ったものの、間違いやいたずら電話が大半を占め、全通報の1%程度で低迷。知名度不足に悩む海上保安庁は「118番の日」を作り、PRを強化することを検討している。

 「たすけて~」。今年3月、海保の運用司令センターに入った118番通報。職員が応答すると、受話器の向こうから、子供たちの笑い声が聞こえてきた。「いたずらですか?」と言うと、その反応を喜んで笑い、ふざけ合う。担当者は「興味本位でかけてくる典型的なケース」と憤る。

 昨年1年間に全国の管区本部に寄せられた118番通報のうち、海難事故の救助や密航などの事件摘発につながる有効通報は過去最多の5664件だった。それでも全通報に占める割合は1.2%で、残る98.8%が番号のかけ間違いや無言、いたずらなどだった。有効通報の割合は17年以降は微増しているが、制度開始以来1%前後で低迷。約6割が有効という消防の「119番」とは対照的だ。

 なかには「ゴジラが出た」という、明らかな嫌がらせ電話も。虚偽の密入国情報が寄せられ、巡視艇4隻と航空機3機が出動する騒ぎになったケースもあり、海保では悪質ないたずらは警察に通報する方針を徹底。10年間で8件を摘発したが、抑止効果がでるには至っていない。

 海保の平成21年夏の調査では、漁業関係者への認知度は9割近かったが、釣り客では6割弱。このため海保は毎年11月8日か1月18日を「118番の日」に定め、集中的にPRすることを検討。「ねばり強く周知を図り、110番や119番のように、重みのある番号にしたい」(海保幹部)という。

個人の意見

>110番や119番のように、重みのある番号にしたい

 でも、小型船舶に関わらなかったら知ることのない番号でした。