「電気ショックで外来魚気絶」滋賀県、新年度 ボート導入


京都新聞 2月15日(水)9時39分配信

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オオクチバスを抑制するために滋賀県が新年度に購入する「電気ショッカーボート」(2011年11月、長浜市西浅井町沖)=県提供


 琵琶湖で在来魚を主なエサとする外来魚オオクチバスを減らそうと、滋賀県は2012年度に「電気ショッカーボート」を新たに購入し、対策を本格化させる。二つの電極を水中に垂らし、体長が大きくて感電しやすいオオクチバスを選択的に捕獲する。県によると同ボートの導入は全国8隻目。11年度に同ボートを借りて効果を実験した際は、最大で1時間あたり100キロを捕獲できたという。
■捕獲効率大幅アップ、在来魚は放流
 琵琶湖で在来魚を主なエサとする外来魚オオクチバスを減らそうと、滋賀県は2012年度に「電気ショッカーボート」を新たに購入し、対策を本格化させる。二つの電極を水中に垂らし、体長が大きくて感電しやすいオオクチバスを選択的に捕獲する。県によると同ボートの導入は全国8隻目。11年度に同ボートを借りて効果を実験した際は、最大で1時間あたり100キロを捕獲できたという。
 琵琶湖の外来魚数を抑えるため、県はこれまで捕獲量に応じた漁業者への経費補助や、釣り人向けの回収ボックス増設を実施。オオクチバスの推定生息量は2009年度末で300トンと、05年比で100トン減った。在来魚も回復の兆しを見せているが、それに伴い、在来魚を主なエサにするオオクチバスが再び増加する危険性があり、同ボート導入で先手を打つ。
 電気ショッカーボートは調査用に魚を生きたまま捕獲できるように米国で開発された。水中に垂らした二つの電極間(2メートル)に500~1000ボルトの電気を流す。電気の流れる距離が長い大型魚のオオクチバスやコイなどが感電して水面に浮くといい、オオクチバスのみを網ですくい、在来魚は気絶から回復すると水中に泳いで戻れる。
 同ボートの電気は2メートルしか届かないため、水深が浅く外来魚が多い南湖で導入する。滋賀県では電気を使った魚の捕獲は禁止されているが、在来魚保護の調査目的のために今回は除外する。12年度予算案に購入費600万円と、産卵期の春を中心に捕獲する費用340万円を計上した。
 11年度に、琵琶湖でオオクチバスを選択的に捕獲する手段を比較検討した際、同ボートに次いで効果が大きかったのは沖曳(ちゅうびき)網だった。水深が深い北湖では沖曳網を使う。
 県水産課は「ボートなどの導入で、在来魚が多く生息する豊かな生態系を取り戻したい」としている。

最終更新:2月15日(水)9時39分




カンボジアには、二つの大きな水系がある。一つは、チベットの源流から中国、ミャンマーラオス、タイ、カンボジアベトナムと流れて南シナ海に注ぐメコン川。もう一つは、東南アジア最大の湖であるトンレサップ。いずれも魚の種類と量は豊富であり、そこで獲られた魚はカンボジアで暮らす人々の大切なタンパク源となっている。

それらの水系では、ナマズ雷魚などの淡水魚が獲れる。日本の魚屋やスーパーではあまり目にしないこれらの魚は、トゥック・トレイ(魚醤)やプラホック(魚のペースト)の原料になるほか、煮たり焼いたり揚げたりと様々な方法で調理されて食卓に並ぶ。

不思議なのは、魚の漁をしているのがカンボジア人ではなくベトナム人やチャム族の人びとであることだ。メコン川での竹網を使った「ダイ漁」にしても、トンレサップ湖でのひき網漁にしても、大規模な漁をしているのはベトナム人やチャム族なのだ。カンボジア人があまり漁をしない点については、「仏教徒なので殺生をしない」などの諸説がある。

さて、本題はここからである。漁といえるかどうか怪しいが、魚の捕獲方法に「水面に電極をたらし、そこに電気を流す」というものがある。すると魚は感電し、気絶して水面に浮いてくる。そして、浮いたところを総ざらいにしてしまうのである。この電気ショック漁はカンボジアでは禁止されている。しかし作業効率が良いため、この方法を使って不法に魚を獲る輩が川にも湖にもかなりいた。

家庭で食べる分の魚をこそこそと獲るのならまだしも、電気ショック漁を魚の販売目的で使われるととんでもないことが起こる。とにかく、浮いた魚を総ざらいしてしまうのだから、漁場の周辺に魚がいなくなってしまうのだ。つまり、電気ショック漁とは生態系の循環や食物連鎖を無視した卑劣な漁法なのである。

その電気ショック漁が、琵琶湖で行われていると報じられていてびっくりした。2012年2月15日付の京都新聞に「電気ショック、外来魚気絶 滋賀県、新年度 ボート導入」という記事が掲載されている。カンボジアでは禁止されていた電気ショック漁を、滋賀県の職員がやっているとはこれいかに?

種明かしをすると、「在来魚を主なエサとする外来魚オオクチバスを減らそう」ということで、電気ショックで魚を気絶させ、外来魚のみを捕獲して処分しているのであった。このオオクチバスは「ブラックバス」とも呼ばれ、特定外来生物に指定されている。そして、外国から持ち込まれ、日本在来の魚を食べるなど生態系を乱す可能性があるということで、その飼養が制限されるとともに、必要に応じ自治体などが駆除をおこなうべき魚だと「外来生物法、特定外来生物被害防止法」で定められている。

滋賀県では、在来魚を保護するため、琵琶湖に生息するオオクチバスの駆除を定期的に行っている。以前は網を使っていたが、新年度から電極と電源を積んだボートを利用して駆除も進める。ボートの名は『電気ショッカーボート』。「おいおい、仮面ライダーかよ」と突っ込みを入れたくなる名のボートは、「米国で開発」されたものだという。このボートはなかなかの優れものらしく、「最大で1時間あたり100キロ」ものオオクチバスを捕獲できるとのこと。

カンボジアでは、商業用に使われて生態系を乱す元凶だと言われていた電気ショック漁。所変わって日本では生態系を守るために使われているという不思議なお話は、これでおしまい。
(谷川 茂)



個人の意見

>県によると同ボートの導入は全国8隻目。
>11年度に同ボートを借りて効果を実験した際は、最大で1時間あたり100キロを捕獲できたという。

滋賀県では電気を使った魚の捕獲は禁止されているが、在来魚保護の調査目的のために今回は除外する。
>12年度予算案に購入費600万円と、産卵期の春を中心に捕獲する費用340万円を計上した。

 以前魚が死なない!? 電気ショッカーボートで触れましたが、電気で魚を捕獲する、昔でいうところの「ビリ」ってどんなものだか知らないんですよ。


 ただ、谷川氏の

>この電気ショック漁はカンボジアでは禁止されている。
>とにかく、浮いた魚を総ざらいしてしまうのだから、漁場の周辺に魚がいなくなってしまうのだ。
>つまり、電気ショック漁とは生態系の循環や食物連鎖を無視した卑劣な漁法なのである。
カンボジアでは、商業用に使われて生態系を乱す元凶だと言われていた電気ショック漁。
>所変わって日本では生態系を守るために使われている

 という記事を読むと不安を禁じ得ません。