赤ワイン研究者が論文ねつ造 「健康にいい」説に水を差す


J-CASTニュース 2月22日(水)19時32分配信


 赤ワインに含まれる成分と健康の関連性について研究が進むなか、米大学の有力研究者が、論文の掲載したデータをねつ造していたと伝えられた。

 大学側は調査を通じて、145か所のねつ造があったと判断。これによりワインの効能そのものに疑問の目を向ける人も出始めている。

■長寿に関係があるという「遺伝子」を活性化?

 赤ワインに含まれるポリフェノールには、シミやシワと関係の深い活性酸素を抑える抗酸化作用があり、動脈硬化のリスクを低減するといわれている。ほとんどの植物に含まれているが、ブドウの果皮や種子まで使ってつくる赤ワインの含有量が多い。

 最近ではポリフェノールの一種である「レスベラトロール」という成分が、2011年にNHKの番組で取り上げられ、国内で話題を集めている。米国の研究で、長寿に関係があるという「サーチュイン遺伝子」を活性化するのがレスベラトロールで、動物実験の結果老化現象を防ぎ、抗がん作用も確認されたというのだ。インターネット通販では、「今、大注目の成分」「高カロリー・高脂肪の食生活を続けている方にオススメ」といった宣伝文句が添えられたレスベラトロールサプリメントが多数、販売されている。

 今回、データねつ造が取りざたされた米コネチカット大学心臓血管研究所の所長、ディパク・ダス教授は、このレスベラトロールの効能について多くの論文を著していた。大学側は2012年1月11日、内部調査の結果を公表。それによると、ダス教授の論文を掲載した科学誌は11に上るが、3年間の調査の結果、論文中のデータのねつ造や改ざんが認められたというのだ。

 米ニューヨークタイムズ(電子版)も1月11日付の記事で詳細を報じた。問題とされたデータの多くは、実験記録の画像イメージから見つかったという。ダス教授が採用した実験方法では、過去にも別の研究者が記録を意図的に変えた経緯があったため、科学誌では、但し書きを入れない限りはデータ変更後のイメージを載せないように指導していたという。ダス教授はそのルールを破ったようだ。

 大学側は、具体的にどの論文にどのような「偽データ」が掲載されたかは説明していない。ただ米CBSニュースによると、ダス教授は共著を含め150の論文を書いており、2012年1月には「神経の保護から心臓の健全性まで、ワインとアルコールが健康にもたらす効果」と題した研究成果を共同で発表。概要を読む限り、レスベラトロールについても触れられているようだ。

連邦政府からの研究費を返還

 ダス教授の専門分野は心疾患をはじめ、心臓の分野だ。レスベラトロールの研究も心臓との関係に限っていたという見方もあり、そうなればレスベラトロールの効果そのものが「まやかし」となるわけではない。

 ただし、米有名大学の研究所の所長自らが「ウソ」を発表し続けていたとすれば、これまで積み重ねられてきた「ワインは健康に効果がある」との風潮に水を差すことになるのは確かだ。このニュースが流れた後、国内外のネットの書き込みを見ると、「怪しいと思ってました」「アルコールが入ってて健康に良いはずがない」と、効果そのものをすべて否定的に見る意見も出ていた。

 大学側は、米連邦政府からダス教授の研究に対して支給された89万ドル(約6850万円)の返還を決め、ダス教授に対しての金銭的な支援もストップした。本人はねつ造を否定したようだが、今のところ大学からの正式な処分は発表されていない。


産経新聞 2月17日(金)10時25分配信

 「朝飲まないと一日が始まらない…」「日に何杯も飲む」という人も多いのでは。今や日本人の生活になくてはならない飲み物となったコーヒー。最近の研究でコーヒーに含まれるポリフェノールが、お肌の大敵である紫外線対策に有効であることが分かってきた。紫外線の増える本格的な春はもうすぐだ。(川村達哉)

 国際コーヒー機関(本部・ロンドン)によると、日本のコーヒー消費量は平成22年、約43万2千トン(生豆換算)。米、ブラジル、独に続く世界第4位という“コーヒー大国”だ。また、全日本コーヒー協会が中学生から70代までの3000人を対象に調べたところ、平成14年以降、一人当たり週に平均10杯余りを飲んでいることが分かった。

 紫外線の肌への影響と対策を、神戸大学名誉教授で医学博士(皮膚科)の市橋正光さん(72)=「再生未来クリニック神戸」院長=に聞いた。

 「紫外線を多く浴びるとシミなどの原因になります。遺伝子を傷つけることが分かっています。反射をするので日傘だけでは対策は不十分。サンスクリーン剤(日焼け止め)を使い、ポリフェノールなどの抗酸化物質を取るといった対策が効果的です」

 ◆皮膚の美白効果

 紫外線を浴びた皮膚の組織に炎症が起き、活性酸素が生まれる。抗酸化物質はこの活性酸素を抑制しつつ、炎症を抑える働きもあるという。

 紫外線は夏のイメージがあるが、冬も乾燥し、空気が澄んだ日には強くなる。オゾン層の破壊が進めば、季節を問わず浴びる紫外線が増えてしまう。

 「コーヒーポリフェノールの注目度が高まったのは、ここ1、2年。摂取しやすいという点に加え、紫外線によって引き起こされる過剰な肌の黒化を抑える可能性が出てきました。つまり皮膚の美白効果があるということです。特にコーヒーの生豆に豊富に含まれるコーヒーポリフェノールは、緑茶などのポリフェノールに比べて吸収量が多いことが知られています」(市橋さん)

 日本人のポリフェノール摂取源の47%がコーヒーで、他を圧倒している。ネスレが21年冬、首都圏の主婦109人を対象に調べた結果だ。

 ◆老若男女取りやすい

 また、コーヒーポリフェノールの摂取量と紫外線によるシミの量との関係を、お茶の水女子大学大学院教授の近藤和雄氏らが調べた。30~60歳までの女性131人を対象に、摂取量によって3つのグループに分けたところ、摂取が多いほどシミは少なく、特に、1日に150ミリグラム(約コーヒー2杯分)以上のコーヒーポリフェノールを摂取している人は、有意にシミが少ないことが分かった。

 ポリフェノールといえばこれまで赤ワインと連想しがちだった。しかし、日本人の平均的な食生活の中で赤ワインからの摂取はわずか2%に過ぎなかった。コーヒーポリフェノールは老若男女が日常、取りやすいというのが最大の特長だろう。新たな効用や、メカニズムの解明が期待されている。

【用語解説】コーヒーの歴史

 エチオピアの伝説によると、6世紀ごろ、野生のヤギがコーヒーの実を食べて元気になるところを人間が見て、食べてみたというのが人とコーヒーとの始まりであるという。現代のように豆を焙煎(ばいせん)して、ひいて飲み始めたのは13世紀ごろのアラビア人。日本には18世紀初頭、鎖国下の長崎にオランダ人が持ち込み、明治以降広がった。



ギズモード・ジャパン 1月18日(水)19時2分配信

二日酔いまではいかなくても不健康...

赤ワインは健康にいいだなんて言われてきましたし、やっぱり1日の終わりには、クイッとお酒を一杯飲んで気分爽快になり、その日あった嫌なことや疲れやストレスをすべて吹き飛ばしたいって思うんですけど、実はこれってかえって悪循環になっちゃうのかもしれませんよ。

例えば、由緒ある月刊科学雑誌「サイエンティフィック・アメリカン」に紹介された研究論文では、就寝時間の100分前に、さまざまなアルコール飲料ノンアルコール飲料の摂取の有無と、その後の睡眠効果の関連性がテストされました。そうすると、ビール、ワイン、カクテルなど、アルコールの種類は問わず、寝る前にお酒を飲んだ人の心拍数の上昇とレム睡眠の減少が一貫して観察されたんだそうですね。深酒をすればするほど睡眠中も心拍数が上がったままで、レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れてしまい、翌朝になっても疲れが取れない不眠症状を訴える傾向が高かったんだとか。

毎晩のようにお酒を飲んでから眠る習慣がある人は要注意とのことでして、あまり前日の疲れが取れていないもんだからと日中は栄養ドリンクに手を伸ばし、これまた夜になると、よく寝付けるようにとお酒に手を伸ばすという最悪のサイクルに陥っている危険性も指摘されていますよ。このところ睡眠不足気味なんだよなって方は、ちょっと飲酒のスタイルを見直してみたほうがいいのかもしれませんね~



個人の意見

>最近ではポリフェノールの一種である「レスベラトロール」という成分が、2011年にNHKの番組で取り上げられ、国内で話題を集めている。
>米国の研究で、長寿に関係があるという「サーチュイン遺伝子」を活性化するのがレスベラトロールで、動物実験の結果老化現象を防ぎ、抗がん作用も確認されたというのだ。
>インターネット通販では、「今、大注目の成分」「高カロリー・高脂肪の食生活を続けている方にオススメ」といった宣伝文句が添えられたレスベラトロールサプリメントが多数、販売されている。

>今回、データねつ造が取りざたされた米コネチカット大学心臓血管研究所の所長、ディパク・ダス教授は、このレスベラトロールの効能について多くの論文を著していた

>このニュースが流れた後、国内外のネットの書き込みを見ると、「怪しいと思ってました」「アルコールが入ってて健康に良いはずがない」と、効果そのものをすべて否定的に見る意見も出ていた。

>本人はねつ造を否定したようだが、今のところ大学からの正式な処分は発表されていない。


 経過を見守りたいですね。

ポリフェノールといえばこれまで赤ワインと連想しがちだった。しかし、日本人の平均的な食生活の中で赤ワインからの摂取はわずか2%に過ぎなかった。

> 日本人のポリフェノール摂取源の47%がコーヒーで、他を圧倒している。ネスレが21年冬、首都圏の主婦109人を対象に調べた結果だ。

 普段のポリフェノールは、他から摂取していたのですね。
 今回のニュースは、ポリフェノール効果の否定ではないのでご注意を。

 ちなみに、飲めない人が「健康効果を目的として、寝酒に赤ワイン」を愛飲されているという話を聞きますが・・・

>深酒をすればするほど睡眠中も心拍数が上がったままで、
レム睡眠とノンレム睡眠のバランスが崩れてしまい、
>翌朝になっても疲れが取れない不眠症状を訴える傾向が高かったんだとか。

 もちろん適量に抑えて深酒をしなければ問題ないのですが、弱い人は少量でも不眠症状が出る恐れがありますね。