チョウセンブナ


毎日新聞 6月22日(金)12時15分配信

 蕨市中央の元川口市職員、加藤仁(まさし)さん(66)宅で飼育しているチョウセンブナが産卵し、稚魚が生まれた。1910年代に朝鮮半島から持ち込まれ、関東・中部地方などの水田や池で自然繁殖したが、今ではほとんど見られないという。体長は4~7センチで、尾や背のひれが長いのが特徴。6、7月の産卵期のオスのひれには、青色の美しい婚姻色が現れる。
 加藤さんは10年ほど前、4匹入手し水槽に入れたところ、しばらくして水面に5センチ四方の泡が浮いていた。「誰かツバでも吐いたのか、と思っていたら産卵だった」と笑う。
 その後、毎年産卵し今では8個の水槽に100匹近く飼っている。産卵後は2匹の親が泡の周辺で警戒、ほかの魚が近づくと攻撃するという。数日で白い泡が茶色に変色し、すぐに体長数ミリの稚魚が誕生する。
 子どものころから釣り好きだったという加藤さんは「かつては近くの川でもフナやハゼ、手長エビなどがたくさん釣れた。見沼用水ではウナギも取れた」と、懐かしそうに話した。【鴇沢哲雄】

6月22日朝刊

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>埼玉県環境科学国際センター 自然環境担当 金澤 光