手賀沼でタナゴ釣りの人気が高まっている

 手賀水系のホソでタナゴ釣り人をよく目にするな~と感じだしたのは、おそらく「水がきれいになった」とか導水事業の話と重なっていたから、今から10年くらい前になるだろうか。

 気がついたらテレビ取材も訪釣するようになり、専門釣り具店まで店を構えるような盛り上がりとなっていた。



 北部手賀沼の北岸に国道356号、16号、6号などのバイパスにもなっている生活道路が湖岸を沿うようにあり、行列ができる評判のラーメン店をはじめとする飲食店と、スーパーマーケットなどの大型量販店が軒を連ねているが、この並びに、その店はあった。

 北岸の西通りは、とにかく渋滞する。
 数台前の車は信号が変わるのを待っているのか、それとも駐車場の出入口が近いのか、理由も分からず完全停車状態の時間を持て余し、なんとなく通りを見渡すと、金色のタナゴを模した看板が目に飛び込んできた。

 ああ、話に聞く専門店とはここなんだな--。
シフトをニュートラルにしてサイドブレーキを利かせ、運転席から撮影するが、配線が垂れ下がる窓枠とドアミラーが映り込む。車が動き出しそうなので再撮は諦めた。老舗呉服店のような店構えが、釣りの知識がなければ入店できない敷居の高さと、緊張感を漂わせているが、それが店の格を上げている。

 きっと、高尚な趣味としてのタナゴ釣りが、そこにあるのだろう。