「既読=読んだ」ではない…ビジネスLINEのマナー教えます


5/29(火) 11:00配信 現代ビジネス

LINEのメリット・デメリット

 仕事でLINEを使うかどうかは、職場によって大きく異なります。ひと昔前までは「LINEはあくまでプライベートなもの」「リスクもあるし仕事で使うなんてとんでもない」という風潮もありました。

 2017年の時点でも、約6割のビジネスマンが「仕事で使いたくない」と答えたデータがありましたが、LINE自体のサービスが進化していること、普及率の高さや利便性から、仕事で使うケースは目に見えて急増しています。

 では、そもそもLINEには、どんなメリットとデメリットがあるのでしょう? 


LINEのメリット
・手軽に連絡できる(時候の挨拶などが不要)
・距離が縮まりやすい
・画像を送りやすい
・グループでのやりとりが簡単で一元的
・ノートやアルバムでの情報保存が可能
・相手が読んだかどうかがわかる
・サービスやセキュリティが日々進化





LINEのデメリット
・フランクすぎる、カジュアルすぎる
・24時間受け取れるのでプライベートな時間に食い込む
・セキュリティが強化されているとはいえ、情報管理には注意が必要
・長文が読みにくい



 このように、LINEはスピード感のある今のビジネスで使うメリットは十分にあります。

 ただ、LINEはまだビジネスでのコミュニケーションツールとしての歴史が浅く、マナーが確立されていません。また、学生時代からどっぷりLINEでコミュニケーションしてきた世代と、最近家族に促されてようやく始めた世代では価値観がまったく違います。食事のお礼がスタンプひとつだった、は当たり前。

 「辞意をLINEで送ってきた」というケースも決して笑い話ではありません。

 せっかく便利なツールなのですからお互いに気持ちよく、そして仕事がスムーズに進むように使いたいものです。今回はそのポイントをご紹介します。

1. LINE式TPOとは?

 どんなコミュニケーションもそうですが、LINEは特に「手軽に送れ、いつでも受け取れる」という性質があるので注意が必要です。例えば、深夜や早朝、休日に次々とLINEで報告や質問を送るのはマナー違反。たとえ「返事は明日でOKです」と添えたとしても、スマートフォンが通知してきた時点で受け取った側のプライベートな時間に食い込むことになります。

 ただし、緊急の連絡にはとても便利。メールでは気づかれないかもしれないし、電話はしにくい、という状況には最適です。

2. LINEスタンプの正しい送り方

 コミュニケーションサービスが続々と誕生したなか、LINEが爆発的に普及したのはスタンプの存在があります。キャラクターが面白かっただけでなく、文字では伝えきれない微妙な気持ちを伝えられるからです。

 しかし、気持ちの伝え方をスタンプに頼ってきた若い世代にとってはいいのですが、マネジメント世代にとっては「これだけ!?」と不快に思われかねません。特に謝罪や感謝の気持ちは絶対にスタンプに頼らず、言葉でも伝えるようにしましょう。

 スタンプは相手との距離が縮まる楽しいツールでもあります。スタンプ好きの上司が相手なら、敬語スタンプなどでコミュニケーションしてもいいですね(とはいえ、必ず言葉も添えること! )。
「既読=読んだ」ではない…ビジネスLINEのマナー教えます

3. 既読スルー問題

 学生時代からLINEを使ってきた世代にとっては、「既読スルー」される気持ちはわかっているはず。それはビジネスでも同様です。

 また、忙しいビジネスパーソンにとっては、「既読=読んだ」とは限りません。なにかの拍子に開いたけれどきちんと読んでいない、ということもありえます。

 先方が「既読」になっても返信が来ない場合は、重要な案件なら「既読になっているからいいだろう」ではなく、必ず確認を。また、自分が受け取った側だったなら、責任をもって「承知しました」などのひと言を返しましょう。

4. グループLINEの賢い活用法

 プロジェクトのスタートと同時に、LINEでグループを作るケースも急増しています。複数のメンバーが同時に閲覧でき、特に画像などの共有には非常に便利なため、「仕事にLINEは使いたくない」などと言っている場合ではないのが現状です。

 発言が多いグループLINEでは、重要なコメントが流れてしまったりすることも。例えば、ミーティングの場所など、重要な情報が流れてきたら、新人が率先してノートに保存すると喜ばれます。共有画像のアルバムなどの作成や整理をしたり、グループのプロフィール画像にふさわしいものを選んで入れるのも、やる気を示すポイントに! 

 一方で、同期グループなどの大きめのグループLINEでは、一部の人が活発に盛り上がっているケースも。仕事中にむやみに通知が届くのは集中力を妨げます。重要な案件でなければ通知はすぐにオフにし、あとでまとめて読んでもいいでしょう。また、グループそのものに入ることを取捨選択できるといいですね。

5. プロフィールの盲点

 学生時代から同じLINE IDを使っている人は要注意。プロフィール画像はビジネスに対応するものになっていますか? 新人が仕事で使うとなったら、社会人としてふさわしい写真を選んだほうが好感を与えることができます。例えば魚を釣っているプロフィール画像から、「お、釣りが好きなら一緒に行く?」という話に発展するなど、コミュニケーションツールとしても期待が持てます。

 ちなみに、「画像なし」はそっけなく、LINEはしぶしぶやっている、という印象になるので避けましょう。

 盲点になりがちなのが、プロフィールのコメントです。最初に設定したあとは、自分ではあまり見る機会がないのでそのまま放置されていたりします。ウケを狙ったもの、「新しいアカウントです」などの連絡のようなものはNG。そもそもプロフィールコメントはなくても失礼にならないので、無理に入れる必要はありません。
6. 取引先とLINEを始める意味

 取引先とのLINEを始めるということは、相手とのやりとりが「24時間365日」できるということを意味します。最近では、例えば不動産会社の物件紹介などがよくLINEで行われています。画像の送信がしやすいなど、やりとりにはとても便利ですが、担当者は深夜でも質問に応えなければいけない可能性も。このように、取引先とのLINEはある程度の覚悟をもって始めましょう。

 もし、対応できそうになければ「会社の規定でお教えできません」と丁重にお断りを。
「既読=読んだ」ではない…ビジネスLINEのマナー教えます

7. リスクヘッジとしてのメール併用

 機密情報などをLINEで送信するのは、やはりリスクがあります。例えば、情報自体はメールで送り、LINEで送ったことを報告するなど、組み合わせて使うのがおすすめです。

 また、長い文章を送るのも同様です。スマートフォン上でのLINEは、長い文章が読みにくいもの。たとえ急いでいたとしても、まずはメールに送り、さらにLINEで連絡するのがベターです。

 
先にも述べましたが、LINEはまだまだビジネスマナー未開の地。職場、職種によってかなり事情は異なります。取引先、先輩や上司、後輩……それぞれの立場によってLINEの使い方で悩む人も多いようです。ただ、LINEによってオープンかつマメにコミュニケーションをとることで、相手との距離が縮まりやすいのは確かです。

 上手に取り入れて、ビジネスコミュニケーションの達人になりましょう! 

北條 久美子

個人の意見

>「既読=読んだ」ではない…ビジネスLINE

 スタンプすら使わない既読スルーは「とてもムカつく」だけで済みますが、既読が点いているのに「知らない」は信用を失います。ご注意を。