高機能ポリエチレン繊維「ダイニーマ」


フジサンケイ ビジネスアイ 1月12日(水)8時16分配信
 合繊メーカー各社が軽量で強靱(きょうじん)といった特性を持つ超高機能の「スーパー繊維」で攻勢をかけている。東洋紡はピアノ線の8倍の強度を持つポリエチレン繊維の生産能力を増強。鉄よりも軽くて強度が高い炭素繊維では、帝人天然ガス車に搭載するタンク向けの独占供給契約をタイメーカーとの間で結び、東レは需要減で中断していた工場の増強工事を再開した。汎用品でアジアメーカーの台頭が目立つ中、潜在需要が大きい付加価値製品へのシフトを加速させることで収益拡大を図る。

 東洋紡はオランダの化学メーカー、DSMダイニーマとの折半出資会社である日本ダイニーマ(大阪市北区)を通じ、高機能ポリエチレン繊維「ダイニーマ」を増産する。福井県敦賀市敦賀事業所に年800トンの製造が可能なラインを導入し、昨年末に稼働させた。昨年6月導入の第3ラインと合わせた投資額は50億円。これにより、全体の年産能力は3200トンとなった。

 ダイニーマは衝撃吸収性や耐光性、耐薬品性に優れ、水にぬれても劣化しにくいほか、水に浮くほど軽いため船舶用ロープや工場などで使う防護用手袋、釣り糸、ヘルメットの素材に使われている。東洋紡は増産を機に用途開発も加速させ、コンクリートの補強材など土木・建築資材向けにも売り込んでいく。

 一方、帝人の子会社、東邦テナックス(東京都千代田区)はタイの大手圧力容器メーカー、メタル・メイト(バンコク市)と炭素繊維の独占供給契約を結んだ。メタル・メイトが開発・製造する天然ガス車用タンクの素材として炭素繊維の原糸を供給する。アルミニウムなどの金属を使った従来のタンクに比べ、金属部分を薄くする代わりに周囲に炭素繊維を巻き付けて樹脂で固めるため、大幅な軽量化が可能という。11年には1000万ドル(約8億3000万円)の売り上げを見込んでいる。

 炭素繊維では、東レも年産1000トンの能力を持つ新規生産設備の工事を愛媛工場(愛媛県松前町)で再開し、12年9月に稼働させる。工場用地の整備費などを含む総投資額は160億円。航空機の翼や自転車のフレームに使う高機能品を生産する。

 当初は09年7月の稼働を目指していたが、世界同時不況で需要が急激に落ち込んだため、工事を中断していた。ここにきてスポーツ用や産業用の需要が回復してきたことから、新設備導入で攻めに転じる。


個人の意見

 炭素繊維も、竿の材料などで気になりますが、

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 を原糸としたラインって興味津々です。