モチスイーツ

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モチクリーム/ニッチインターナショナル
手前から。マンゴーの果肉入りのクリームが濃厚なダブルマンゴー189円、抹茶餡が上品な宇治金時157円、桜餅のような味わいが楽しめる桜157円


和ブームが追い風となり、餅を使った“モチスイーツ”が人気を集めている。1980年代に登場し、今なお愛され続けている大福アイスとイチゴ大福は、いわば2大モチスイーツ。しかし最近のモチスイーツは、実にバラエティ豊か。餅や薄い求肥(ぎゅうひ。和菓子の材料、餅の一種)で包んだ大福タイプが主流なのは替わらずだが、中身は何でもあり。意表を突くコンビネーションが楽しめるのが、トレンドだ。

 ピンク、緑、黄色、薄紫…。ガラスケースの中に、ジュエリーのごとくまん丸のお餅が美しく並べられている。2004年に第一号店が大阪でオープンし、現在は全国83店舗で展開されている「モチクリーム」だ。餅の中身は、小豆や抹茶など和素材とクリームを組み合わせたベーシックなものから、カスタードクリームとフルーツなど、洋素材だけを組み合わせたものもある。常時24種類のフレーバーを用意しているのが特徴だ。しかも食べ方が面白い。大福は常温で食べるのが普通だが、モチクリームは冷やして食べる。口に入れた瞬間、ひんやりとして口当たりが爽やかだ。最近では、レーズンやコーンフレークスを入れるなど、これまでにない食感のフレーバーが加わった。ラム酒につけ込んだレーズン入りのラムレーズンを食べてみたが、もはや大福の範疇ではない。和菓子と洋菓子の垣根が完全にとっぱらわれた新感覚のデザートだ。

 モチクリームを販売するニッチインターナショナル(神戸)・マーケット部の西村美玲チーフは、モチクリームの開発のきっかけをこう話す。「ロングセラーである大福アイスを見て、モチを素材にしたモチデザートを作ることを思い付いた。モチは女性にも人気が高い素材。どうすれば大人の女性に売れるのかを考えたとき、たくさんのフレーバーを揃えるという発想が生まれた」。最初は、他店と同様に小豆餡や白餡をベースにしていたが、それだけでは限界がある。洋素材との組み合わせを積極的に始めたところ、フレーバーに奥行きが生まれた。高級菓子のイメージを高めるべく、2006年末には百貨店にも出店。その頃から急激に伸び始め、07年末までの一年間で、出店舗数は倍以上に拡大した。