「カレセン」

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5月22日10時0分配信 日刊ゲンダイ

●“ちょいワル”なんてもう古い
 ギラギラとエネルギッシュな男なんて真っ平ゴメン、哀愁漂う枯れたオヤジがたまらなく好き――。こんなカレセン(枯れたオジサン専門)の女が増えているという。枯れオヤジの魅力を女の視点から検証した「カレセン」なる本も出版され、話題だ。

●アンチ・アンチエイジング
「オジサンが好きというと“ちょいワル”を連想されたり、“お金を持ってるから”と思われがちですが、それは誤解。普通の疲れたオジサンに魅力を感じる女の子は少なくありません」と語るのは「カレセン~枯れたおじさん専科」(アスペクト)を企画・編集した白畠かおり氏だ。
「オジサンの魅力を一言でいうと“枯れ具合”。隠そうとしても全身からにじみ出てしまう味ですね。金をかけて若作りすればモテるという“ちょいワル”は男の幻想だと思う。女から見て格好いいオジサンは、年相応に老けていて自然体です。本当にいい男は年を取るほどに素敵になっていく。言わばアンチ・アンチエイジングですね」
 薄くなった頭髪や白髪、深く刻まれたシワなど、一般的にマイナス要因と思われていることも、カレセン女から見れば立派なチャームポイント。むしろ加齢にあらがおうとジタバタする姿は不評だ。
 ちなみに、カレセンの中でも、児玉清のようなロマンスグレーがとりわけ好きな女のことを「グレセン」と呼ぶそうだ。

●若い男にはないオヤジならではの魅力
「キャリア女性には隠れカレセンが多い。若い男だとお互いに格好をつけてしまうし、ガーッと働いた後に力入れて頑張っている人と飲むと疲れちゃうんですよね。焼き鳥屋でオジサンとしみじみ焼酎でも飲みながら、ふと“この人、私より先に死んじゃうのかなぁ”なんて思うと胸がキュンとしちゃいます」(白畠氏)
 年齢と経験を重ねてきたオヤジならではの包容力や余裕、諦観など若い男にはない要素が女を引きつける。
 とはいえ、枯れていれば何でもいいわけではない。ただの地味なオッサンで終わるか、格好いい枯れオヤジになれるかどうかは、生きざまのすべてで決まる。
 人気の枯れオヤジは俳優の蟹江敬三岸部一徳、故いかりや長介、落語家の柳家喜多八お茶の水女子大の土屋賢二教授ら。また「カレセン」本によれば、魅力的な枯れオヤジの条件は以下の通りだ。
●ひとりの時間を持て余さない。
●路地裏が似合う。
●ビールは缶より瓶。
●ペットは犬より猫が好き。
●ひとりでふらっと寄れる行きつけの店がある。
●さりげなく物知り。
●金や女を深追いしない。
●自分の年齢を受け入れている(若ぶらない)。
●人生を逆算したことがある、など。
 これなら俺もイケるかも……と思ったアナタ。枯れた魅力でモテようという欲望があるうちはまだまだ未熟。“枯れ”の境地に達するのは意外と難しいのです。


[ 2008年02月05日 10時00分 ] エキサイト

男目線から見た「カッコいいおじさん」=「ちょいワル」という言葉が定着してもはや久しいが、女目線で見た「カッコいいおじさん」は「枯れ」だった!?

確かに私も「ちょいワル」は、今どきバブリーな香り漂う感じとか、ギラギラと「青二才には負けん!」とがんばってる感じとかがどうも違うなー……と思ってはいた。
そんな「ちょいワル」業界に一石を投じる!? 『カレセン(枯れたおじさん専科)』なる本が出たようです。これは、枯れたおじさまの魅力を「カレセン」(=枯れ専)女子の視点から徹底的に追求・検証した本。

さっそく読んでみたところ、冒頭にいきなり本書の考える「男の枯れた魅力とは」というのが載っていた。「一人の時間をもてあまさない」「路地裏が似合う」「ビールは缶より瓶、ペットは犬より猫が好き」「ひとりでふらっと寄れる行きつけの店がある」「さりげなく物知り」「金や女を深追いしない」「人生を逆算したことがある」「自分の年齢を受け入れている(若ぶらない)」などなど。

どうです? 本物のおじさまも、予備軍の皆さまも当てはまるところはありましたでしょうか。
その他、俳優の蟹江敬三やマンガコラムニストの夏目房之介など「理想の枯れおやじ」達へのインタビュー、実際に「枯れ氏」ができたときのための「おすすめのプレゼント(老眼鏡やこだわりの文房具など)」、「カレの晩酌に一役買い! 激シブおつまみ」レシピなど盛りだくさんの内容。さらに、気になるおじさまの生まれ年がひと目でわかる「年齢早見表」までついていてビックリ!

しかし、なんといっても必読はカレセン女子6名による「朝まで生討論 カレセン座談会」でしょう。
「あたし、児玉清が好きなんですよー」「おっ、グレセン(※ロマンスグレー専門のこと)だね」等のやりとりは序の口として、「緒形拳のホームページがさぁ、萌え萌えなんだよね~。猫飼ってて、『おーい』って名前つけてんだよ(笑)」などなど、コアなガールトークが満載。

それにしても、本書で理想とされているような「知識はあるけどひけらかさず、欲に振り回されず、どことなく孤独の影を背負い、若い女子だからとバカにせず、認めてくれて、一緒にいるだけで楽しくて、がんばらなくていい」。
そんなおじさまがいたら確かにとっても魅力的! 恋や仕事に疲れたとき、癒してくれるのはイケメンでも年下男子でもなく、もちろんちょいワルでもなく、枯れたおじさまであってほしい! という気持ち、わかる気がします。実在するのはさておき、まぁ、妄想するのは自由ということで……。

ちなみに、これを読んで「オレも早く枯れてモテたい」と思う男子がいるかもしれませんが、「モテたい」と思うこと自体がすでに「枯れ」てないわけで、男性にとってはまさに禅問答のような女心の不可思議さよ、なのでした。
本書にはそんな「枯れたおじさま」の魅力を堪能できる本・映画・音楽もたっぷりと紹介されているので、女子の皆さんはそれらを観賞しながら「理想の枯れ氏」について心ゆくまで考えてみてはいかがでしょう。
(野崎 泉)


 男は枯れてナンボでしょ?

 格好ばっかりの、いわゆる“イケメン”にはまったく魅力を感じない。かといって、油っぽいギラギラしたオヤジも勘弁。なんとなく流行ってる感のある“年下男子”も、可愛いだけで、なんだか頼りない。

 今、いちばん魅力的で、恋の駆け引きに疲れた女子の心を癒してくれるのは、人生の荒波で湯通しされて、すっかり油の抜け落ちた「枯れた」オジサマたち。

 確かに「体力・若さ・勢い」では若い男子にかなわない。でも、人生経験や知識、醸し出す雰囲気はオヤジ圧勝! そして今それにハマル女性が増加している!

 実際にオトナの女子が求めているのは、一歩トーンダウンした気取らないけど味のあるオヤジ。セクハラも恋の駆け引きも抜きにして、そんなオヤジと近所の居酒屋で一杯……が、最も心癒される時間なのです。

 本書では、恋愛の駆け引きに疲れた女ゴコロを癒す、枯れた男(オヤジ)の魅力を、「カレセン」(=枯れ専)女子の視点から、徹底的に追求・検証します。