ヨーグルトも「ゼロ」

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6月9日8時16分配信 フジサンケイ ビジネスアイ


 “脂肪ゼロ”のヨーグルト商戦が熱を帯びてきた。脂肪ゼロ商品は、炭酸飲料やビールなどで先行してきたが、ダイエット志向の高まりを背景に、ヨーグルト分野でも需要の拡大が見込めるとみて大手乳業メーカーが相次いで参入。今春までに各社の脂肪ゼロ商品が出そろった。“ゼロ戦争”の戦火が、ヨーグルトにも飛び火し、顧客争奪戦が激化している。

 最大手の明治乳業は脂肪分を抑えた「明治ブルガリアヨーグルトLB81 脂肪0」(450グラム)を22日に発売する。価格は262円で、2009年度に50億円の販売を目指す。同社は今年3月、80グラムパックが4個連なった「明治ブルガリアヨーグルト脂肪0」(アロエ味など3種、231円)でゼロ戦線に参戦。一段の品ぞろえの強化により「市場活性化を狙う」(明治乳業)という。

 ライバルの森永乳業は、08年12月の「ビヒダスプレーンヨーグルト脂肪0」(221円)でゼロ市場に参入。同商品は発売4カ月間で目標の2倍となる600万個を販売するなど絶好調で、今年度には50億円の売り上げを狙う。また5月には「アロエ&ヨーグルト脂肪0」(105円)をラインナップし、ダイエット志向の需要を取り込む考えだ。

 ゼロヨーグルトは、日本ルナ(京都府八幡市)が2004年3月に発売した「脂肪0%ヨーグルト」が先駆けで、以降タカナシ乳業やダノンジャパンなどが追随し、市場が拡大基調にある。

 ■【予報図】成長市場、味わい改善がカギ

 国内のヨーグルト市場は少子化や、各社が昨年3月に相次ぎ実施した値上げなどで頭打ちが続いている。森永乳業は2009年度の総市場を前年度比0.3%増の2880億円と予想、3年連続で横ばいが続く見通しだ。

 ただ、こうした環境下でも成長を続けているのが脂肪分ゼロのヨーグルト。厳密に言えば脂肪分は完全にゼロではないが、栄養表示基準によって、100グラム当たり0.5グラム未満の脂肪(脂質)であればゼロと表示できる。カロリーも通常品に比べて2割程度減らしている商品が多いという。このため「お腹周りを気にする消費者の関心が強い」(森永)といい、09年度の市場は53.8%増の200億円に拡大すると森永は予測する。

 もっとも、ヨーグルトは脂肪分を減らすと、コクがなくなりやすいという欠点もある。この改善に向け明治乳業が22日から発売する新商品では、酸素を減らした乳原料を低温で発酵する製法によりコクがなくなるのを防いだ。森永も乳糖と塩分を取り除いた特殊な乳原料を加えることで「カロリーを下げ、通常のヨーグルトと同等の食べ応えを実現した」と味に自信を見せる。

 消費者の舌が肥え、脂肪分ゼロの食品に対しても、おいしさを求める傾向が強まるなか、いかに、通常のヨーグルトの味わいに近づけられるかが成長市場での売れ行きを左右しそうだ。(今井裕治)


個人の意見

 最近、ゼロ系に使われる甘味料に慣れてきたのか、技術革新で甘味料の味が良くなったのか、後味の悪さを感じなくなってきたみたいです。