アンヴィル


4月1日20時50分配信 シネマトゥデイ

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ドラムスのロブ・ライナー、ボーカル・ギターのスティーヴ“リップス”クドロー - Photo:Nobuhiro Hosoki

 メタリカに影響を与えたことで知られるも、ブレイクすることなく、現在も地道に活動を続けるヘビメタバンド、アンヴィル。その栄光と挫折を描いたドキュメンタリー映画が完成し、50歳になってもなお精力的にバンドを引っ張るボーカル・ギターのスティーヴ“リップス”クドローに話を聞いた。

 デビュー当時、スラッシュメタルバンドとして業界から一目置かれたアンヴィルメタリカのラーズ・ウルリッヒアンスラックスのスコット・イアン、モーターヘッドレミー・キルミスターらが、本作の中でアンヴィルから影響を受けたと語っている。であるならば、なぜ彼らは前座バンドに成り下がってしまったのか? 

 その勢いを止めたのはマネージャーの人選ミスにあったと語る、スティーヴ。「二人いるマネージャーのうち、どちらか一人を選ばなきゃならなかった。駆け出しのマネージャーと、AC/DCエアロスミスボン・ジョヴィスコーピオンズなどを抱えた敏腕マネージャーのデヴィット・クレブスのどちらかをね。おれたちは当然のように後者に決めた。だが、駆け出しのマネージャーこそ、後にメタリカを発掘するジョニー・Zだったんだ! ジョニーはおれたちに『君たちの演奏こそ、ヘビーメタルの未来だ!』と言ってくれたんだけど、おれたちは敏腕マネージャーを選んだのさ……」。

 敏腕マネージャーのデヴィットは音楽作りに対して意見をし、メンバーたちは思うような楽曲を作ることができなくなってしまった。そしてメタリカの世界的大ブレイク。メタリカの存在によってアンヴィルは、目新しいバンドではなくなってしまったのだ。「どうでもいいようなバンドになってしまった。だからといっておれたちがヘタクソというわけじゃない……そう自分を納得させながらここまで続けてきたんだよ。メジャーでの活躍はないけどね」とスティーヴ。

 1984年の来日以来、約22年ぶりに日本を訪れ、メタルフェス「ラウドパーク06」でライブを行ったアンヴィル。「ファンが、今でもおれたちを忘れずにいてくれたことがとてもうれしかったよ。だからその感謝の意味を込めて、次に来日する際には、この映画を流して、その後でおれたちがライブするという企画もあるのさ!」とスティーヴは熱く語った。

 最後に、あのときもしブレイクしていたら? と尋ねると、スティーヴからは意外な答えが返ってきた。「きっと数枚のアルバムを出して消えてしまっていただろうね。あのとき成功しなかったからこそ、これまで10枚以上のアルバムを出して、活動し続けることができたと思うんだ」。2年間の撮影の後、1年をかけて編集され、完成した本作。批評家たちからは傑作との呼び声が高い。(取材・文:細木信宏 / Nobuhiro Hosoki)

映画予告
映画 『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』 予告編


anvil-metal on metal


ANVIL metal on metal


Anvil - School Love 1984



個人の意見

 イメージは、アメリカンベースボールの独立リーグにおける、三澤投手や伊良部投手みたいな生活でしょうか。

 電動ドリルの演奏は知っていますが、Anvilは「大人の玩具・電動コ●シ」でギターを弾いたりするそうです。バイブでライヴですか~!

映画の公式ウェブはAnvil! The Story of Anvil
キアヌ・リーブス氏もファンだったらしいです! 

●7/3追記


2009年6月10日 更新 ANAPエンターテインメントニュース

ANVIL
苦節を描いたドキュメンタリーが大ヒットするまでは30年近くも無名の存在だったカナダのヘヴィ・メタル・バンド、ANVILがこの夏究極のロックンロールの栄誉に浴することになった。歴史的にもっとも成功したハード・ロック・バンドであるAC/DCが、2回のコンサート(7/28ボストンのジレット・スタジアム、7/31ニュージャージージャイアント・スタジアム)のサポート・バンドにANVILを個人的に指名したのだ。
スタジアム・ショーはANVIL人気の新しい展開となる。元ローディから映画脚本家に転じたSACHA GERVASIが監督したドキュメンタリー『ANVIL: THE STORY OF ANVIL』は2008年のサンダンス映画祭に出品され、3月にはニューヨーク、ロサンジェルスで劇場公開された。劇場公開は現在27都市に広がり、この夏はさらに拡大する予定。映画はすでに全米だけで550,000ドル以上の興行成績を上げており、インディペンデント配給のドキュメンタリーとしては異例の大ヒットとなっている。
3月以来バンドは『ANVIL体験』と銘打たれた30以上のコンサートを国中の映画上映会場で行なっており、先週のニューヨークとロサンジェルス公演では何百人もの人たちが詰めかけた。
AC/DC のみならず、ANVILは多くのミュージシャン仲間からの支持を集めており、先週ニューヨークで行なわれた『ANVIL体験』にはCOLDPLAYの CHRIS MARTINがやって来て、バンドにスタンディング・オベーションを送っていた。インタビューでMARTINは映画について「素晴らしい……最高だった。ドラマーとシンガーのシーンがあるんだけど、あれは泣けるね。ことにバンドをやってる人にはあの感じがよくわかるはずだよ。他のメンバーをうんと愛しているんだけど、それなのにひどく喧嘩してしまうっていう」