冷夏でもビアガーデン盛況

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9月12日15時16分配信 読売新聞

 日照不足だった今年の夏。

 9月上旬が過ぎても全国的に気温が平年を下回る日が多く、秋の気配が色濃く漂う。天候不順で野菜の価格が高騰し、エアコンなどの売れ行きも心配されたが、意外な場所がにぎわいを見せていた。

 11日夜、東京・新宿の京王百貨店屋上にある京王アサヒビアガーデン。この日の午後8時の都心の気温は24・6度と涼しい風が吹いていたが、500席がほぼ満席のにぎわい。

 銀座の勤め先からやって来たという会社員の横山和広さん(51)は、今シーズン6度目の来店。「蒸し暑いと汗だくになってしまう。涼しいくらいがちょうどいい」と話す。女性同士で飲んでいた会社員の山本摂子さん(34)は「涼しい風が吹いている所で飲むのも意外においしい」と屋外の開放的な場所が気に入った様子。みな、間もなく今季の営業を終えるビアガーデンの名残を惜しんでいた。

 ビアガーデンと言えば、冷たいビールで蒸し暑さを吹き飛ばすというイメージ。だが、猛暑日も少なかったこの夏、過去最高の売り上げを記録するケースが相次いでいる。同店でも過去最高の売り上げを記録した昨年より1割増の見通し。

 東京・八王子の「高尾山ビアマウント」は、ふもとよりさらに1度ほど涼しいが、7、8月ともやはり過去最高の売り上げとなった。明治神宮外苑の「森のビアガーデン」も昨年比で3割近く売り上げを伸ばした。鈴木真也店長は、「女性やファミリー層も増えた。不況なので、せめてビアガーデンでリゾート気分を味わいたいのでは」と話す。

 局地豪雨の発生が少なかったことが幸いした、との見方もある。猛暑の昨年は、地表が急激に熱せられて起きる豪雨にしばしば襲われ、客がずぶぬれになってしまうビアガーデンもあった。今季は突然の大雨はほとんどなく、安心してビールを飲めたのかもしれない。

 家電も、エコポイントなどに後押しされて意外に健闘。ヤマダ電機群馬県高崎市)では、7月のエアコンの出荷台数は昨年と比べ落ち込んだが、エコポイントや定額給付金の効果で販売単価は7~8万円とやや高めの製品が主流となり、「最小限の落ち込みにとどまった」(広報部)。ヨドバシカメラ(東京)でも、新型インフルエンザへの不安から除菌機能の付いたエアコンが好評で、空気清浄機も例年の1・5倍の台数を販売した。

 野菜の価格も落ち着きつつある。中央卸売市場(東京・大田)の卸売会社「東京青果」によると、8月半ばごろまで昨年の同時期に比べ1・5倍近い価格だったジャガイモやキュウリ、トマトは今月に入り昨年の水準に近づいた。入荷量が安定してきたためで、同社は「今後さらに落ち着くのでは」と話している。



9月10日20時25分配信 毎日新聞

 8月のビール類(ビール、発泡酒第3のビール)の出荷量が、7月に続いて2カ月連続で過去最低になった。書き入れ時の天候不順が響いたためで、ビール大手各社は、消費者の関心が高い「第3のビール」の新商品発売などで需要をつなぎ留めようと努力している。

 8月のビール類全体の出荷量は前年同月比6.0%減の4270万8000ケース(1ケースは大瓶20本換算)で、過去最高だった95年の75%の水準だ。このうち、通常のビールの6割前後の価格で販売されている「第3のビール」だけが18カ月連続でプラスを維持している。

 各社はこの「第3のビール」の強化に乗り出している。サッポロビールは今月末から、「第3のビール」の主力商品「麦とホップ」を居酒屋などの飲食店向けにも出荷する。これまで「値段を下げても飲む量は増えず、飲食店からの要望も少ない」と考えてきたが、沖縄県の一部で試験的に出荷したところ、低価格の居酒屋を中心に引き合いが多かったため、販売方針を転換したという。

 また、イオンが7月下旬からプライベートブランド(PB)で売り出した第3のビールも好調だ。100円という価格と「サントリー製」という信頼感が追い風になり、発売から2週間前後で売り切れ。サントリー製の第3のビールは、イトーヨーカ堂やセブン-イレブンでもPBとして販売されており、こちらも売れ行きは順調だ。

 大手各社によると、今月以降、年内に発売されるビール類の新商品は、季節限定商品などを除いてすべて第3のビール。「本当は価格の高いビールを売りたいが、『第3』の需要拡大で市場を活性化させるのが先決」(アサヒ)と話す担当者の表情はさえない。【窪田淳】


個人の意見

ビールの出荷量が過去最低を記録しながらも、ビアガーデンは盛況だったというのは意外でしたね。
野菜の価格も落ち着きだしたとのことで、心配なのは米の価格です。