西湖で“津波”

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共振現象による波で湖底に堆積した小枝などが浜に打ち上げられ、帯状に並んだ



産経新聞 4月19日(火)7時57分配信


 東日本大震災が発生した3月11日、震源地から約450キロ離れた山梨県富士河口湖町の西湖(さいこ)で、湖面がうねり、波高が1メートルに達する津波に似た珍しい「共振現象」が起きていたことが18日、分かった。同町では震度5弱を観測している。


 「突然、目の前の水位が上がり始めた。ザザーという音とともに湖水が(湖岸の)溶岩塊を登った。波というより湖岸の水位が1メートルぐらい盛り上がったように見えた。波ならすぐ引くが、このときは水位がゆっくりと上がり、ゆっくりと下がった」。当日、西湖でボートで釣りをしていた山梨県笛吹市の会社員、小原健一さん(35)はこう振り返る。

 湖の北岸でレストランを経営する渡辺保一(やすいち)さん(63)は、近くに住む叔父の連絡で湖の異常を知った。湖畔に出ると既に第1波の後で「何度か津波のような大波が続いた」という。渡辺さんは「波はゆっくり来てゆっくり戻った。浜にあったボートが沖に流され、貝や小魚が浜に打ち上げられた。湖畔から沖合40~50メートルの幅で湖水が濁っていた。引き波が浜の砂をさらったようだ」と話す。

 近くの船宿では、鉄骨製の重さ200キロのボート台が引き波で湖側に引きずられた。

 山梨大の鈴木猛康(たけやす)教授(地震工学)は「地震山梨県内では約10センチの地殻変動が起きている。湖の形状と揺れの周期の条件が合致すると、地震のエネルギーが増幅される共振現象で津波が起きる。この現象が西湖で起きたようだ」とメカニズムを分析する。

 鈴木教授は例として「水を入れたたらいを振ると波が起き、波とたらいの揺れの周期が重なると波は大きくなる」と説明。これは地形と地震の周期の条件が一致しなければ起こらない現象という。(牧井正昭)

個人の意見

 山上湖で釣り舟に乗っていると、水上と言うことであたかも耐震のような思い違いをしてしまいそうになります。

 釣行中、地震にあったらどうすべきか、あらかじめ考えておくことが必要かも知れません。



夕刊フジ 4月19日(火)16時57分配信

 海なし県にも津波が!? 東日本大震災が発生した3月11日、震源地から約450キロ離れた富士五湖の西湖(山梨県富士河口湖町)で、湖面がうねり、波高が1メートルに達する津波に似た現象が起きていたことが分かった。同町では震度5弱を観測している。

 当日、西湖でボートで釣りをしていた山梨県笛吹市の会社員、小原健一さん(35)は「突然、目の前の水位が上がり始めた」と証言。波というより、湖岸の水位が1メートルぐらい盛り上がったように見えたという。「波ならすぐ引くが、このときは水位がゆっくりと上がり、ゆっくりと下がった」と振り返る。

 湖の北岸でレストランを経営する渡辺保一さん(63)は、近くに住む叔父の連絡で湖の異常を知った。湖畔に出ると既に第1波の後で「何度か津波のような大波が続いた」という。渡辺さんは「浜にあったボートが沖に流され、貝や小魚が浜に打ち上げられた。湖畔から沖合40~50メートルの幅で湖水が濁っていた。引き波が浜の砂をさらったようだ」と話す。

 西湖は昨年12月、東京海洋大客員准教授・さかなクンらの研究で絶滅種のクニマスが再発見され、話題となった。また増水時には同じ富士五湖本栖湖精進湖とともに水位が上がるため、3湖は地下でつながっているともいわれる。ミステリアスな湖にナゾの“津波”という新たな伝説が加わった。