<工場見学>ブーム止まらず 軒並み満員状態続く


毎日新聞 7月25日(月)12時31分配信


 工場見学ブームが止まらない。首都圏ではジャンルを問わず軒並み満員状態が続き、専門ガイド本も異例の売れ行きだ。夏休みを迎え、予約も殺到しているという。人気の理由はどこにあるのか。【柳澤一男】


 「見学の予約受付開始日となる毎月1日は、電話が1時間鳴りっぱなしです」と話すのは、マヨネーズでおなじみのキユーピー(東京都渋谷区)広報室。全国5工場で平日に1日3回程度実施し、1回に30~60人が参加する。

 「わあ、すごい」。1日に家庭用マヨネーズ約20万~25万本、ドレッシング約25万本などを製造する五霞(ごか)工場(茨城県五霞町)。見学者には親子連れも多く、毎分600個の卵を割って白身と黄身を分ける「割卵機」が目の前に現れると一斉に歓声が上がった。「1日に70万個割る我が社オリジナルの機械です」と胸を張るのは、同工場の見学担当の三石加代子さん。約40分に及ぶボトルや箱詰めの製造ラインを見学後、ドレッシングでサラダを試食。さらにキユーピー人形とドレッシングなどのお土産が付く。家族で訪れた埼玉県白岡町、会社員、岡田誠さん(35)は「普段は野菜を食べない子供も喜んで試食した。来てよかった」と笑顔だ。

 羽田空港に近い東京都大田区のANAメンテナンスセンターは、一般向け見学を開始した1993年以来、常に予約でいっぱい。B777型機など主力航空機が間近で見られ、航空ファンのみならず親子での参加も多い。半年前からインターネットで予約できるが「すぐに満席になる」(同社広報室)状態だ。

 こうした工場見学の多くは無料だ。

 工場に特化したガイドブックの売り上げも好調だ。東京や千葉、神奈川など首都圏周辺の約50カ所を紹介した「工場見学 首都圏版」(昭文社、880円)は1月の発売からわずか5カ月間で約8万8700部を売り上げた。4月には「京阪神版」「東海・北陸版」も発行した。

 情報会社オリコンによると、首都圏版は旅行本部門の今年上半期(10年11月22日~11年5月22日)で1位を記録。半期では統計を始めた08年4月以降、最高の販売冊数という。

 同社の雑誌「オリジナルコンフィデンス」編集長の葛城博子さんは「昨年からテレビ番組などで取り上げられることが多くなってブームに火が付いた。元々、身近な製品がどのように作られているかを知りたい気持ちが多くの人に潜在的にあったのだと思う。お金がかからず、面白くて勉強にもなる。ニーズは今後も続くでしょう」と分析する。

 人気の背景に、東日本大震災との関連を指摘する声も。キユーピー五霞工場は震災後、中止していた見学をゴールデンウイーク後に再開したが、予約の電話が殺到。専用回線を増やしたが、「それでも電話がつながらないことが多い」。昭文社の広報担当者は「ゴールデンウイークは自粛ムードが強く、遠出代わりに日帰りで楽しめる工場見学がさらに注目された」と語る。

 市立小5年の娘真未さん(10)と工場見学によく参加するという千葉県柏市の主婦、相沢由美さん(41)は「今年は震災が起こって遠出ははばかられるので、近県の工場見学などで、子どもと社会勉強ができればと思っています」と話す。

 キユーピー五霞工場の8月の見学予約は、受け付けスタートの今月1日に定員に達した。三石さんは「こんなに予約が集中したことはあまり記憶にない」と驚く。節電の影響で土日祝日のみ実施中のサントリー武蔵野ビール工場(東京都府中市)は、7月下旬以降はまだ空席もあるという。

 ものづくりニッポンの伝統を身近に感じるためにも、親子で参加してみてはいかが?

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ベルトコンベヤーで完成したマヨネーズが運ばれていく様子を見る見学に参加した子供たち=茨城県五霞町キユーピー五霞工場で、柳澤一男撮影

個人の意見

 釣り具の工場見学とか、いいかも知れない。

マルキユー 工場見学
桶川市が発行している小学校3年生向けの社会科の教科書「おけがわ」でマルキユーが桶川市にあるつりえさ工場として、原材料の輸入先や製品の出荷先、輸出先、従業員の通勤地域などが取り上げられている。また教科書での学習の後に社会科見学として工場内の見学が行われる。
毎年8月の下旬に感謝祭として社員による模擬店や盆踊りなどが構内で行われる。模擬店の中には釣堀もある。マルキユー - Wikipediaより