木曽川に、直径約100m最深部約20mのクレーター
読売新聞 4月2日(月)9時49分配信
愛知県一宮市と岐阜県羽島市との境の木曽川中流部で、川底の土砂がえぐり取られたように、異常に深くなっている場所があることが、独立行政法人・土木研究所自然共生研究センター(岐阜県各務原市)の調査でわかった。
この深みは直径約100メートルにわたって、クレーターのようにすり鉢状に広がっており、周囲の水深が3メートル程度のところ、最深部は約20メートルに達していた。えぐれた部分は拡大する傾向にあるうえ、他にも深みは複数見つかっているといい、アユを始めとする生態系への影響も心配されている。
同センターによると、異常な深みが見つかったのは、河口から約37キロ上流の地点で、付近の川幅は約300メートル。さらに1~2キロ上流では、川底の砂がなくなり、1600年以上前の泥炭層が露出した場所もあった。
こうした現象について、同センターの萱場祐一センター長は、1990年代まで行われていた建設工事用の砂利採取と、上流に造られたダムや頭首工のため土砂が流れてこなくなったのが原因とみている。現地を調査した北海道大大学院の根岸淳二郎・特任助教(河川生態学)は、「川底の土砂がなくなったところに、流れで表面の泥炭層がはがれ、その下の軟らかい土の層もえぐり取られたのではないか」と推測する。
(2012年4月2日09時49分 読売新聞)
(2012年4月2日09時49分 読売新聞)
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