「フィッシングエリア吉羽園」

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埼玉新聞 11月25日(月)15時39分配信


 幸手市茨城県五霞町を隔てる1級河川、中川のほとりにたたずむ「フィッシングエリア吉羽園」(幸手市上吉羽、坂田行夫社長)。週末には多くの釣り人でにぎわう釣り堀だが、土地を所有する国と県が今年9月、吉羽園を相手取り立ち退きを求めてさいたま地裁に提訴、第1回口頭弁論が27日に開かれる。

 護岸工事の必要性から、憩いの場である釣り堀が立ち退きを迫られるという、釣り人にとっては何とも「つれない」話になっている。

 訴状などによると、国と県が立ち退きを求めているのは、吉羽園が「不法占有」しているとされる8・3ヘクタールの土地とゲストハウスなどの建造物。「再三にわたって明け渡しを要求したが、一向に応じないため提訴するに至った」としている。

 立ち退きの目的は、他の流域と比べ狭い川幅の拡幅工事。現在約35メートルの川幅を150メートルまで広げる予定で、同釣り堀がその範囲に入っている。1980年ごろ、県と国が地権者から土地を買い上げ、所有権は国にあるが、県が管理しているという。

 県河川砂防課の担当者は「県が買い受ける以前、(吉羽園と)地権者との間に賃貸契約があったという話はない。立ち退きを求めていたのに、逆に施設は拡充された。何度も交渉してきたし、補償の予定もない」としている。

 週末、午前6時の営業開始に合わせ、関東一円から釣り人が集まり、午前中には150人もの客でにぎわう。東京都から来たという男性会社員(42)は「足場がしっかりしているので安全」と子どもと一緒に釣りを楽しんでいた。

 吉羽園は64年開業、以来50年間にわたり、釣り人に親しまれてきた。ヘラブナブラックバス、トラウト釣りが楽しめる大規模な釣り堀として、専門紙や雑誌での評価も高い。坂田社長の父親が、当初民有地だった河川敷の清掃や不法投棄の監視を行っていたところ、釣り人が増えたことがきっかけで釣り堀を始めたという。

 坂田社長は提訴を受け、「県には何度も足を運んだが、不法占有、立ち退きありきで、話し合いをしたいといっても相手にしてもらえない。ごね得を狙っているのではない。楽しみにしているお客さんのために何とか続けたいだけ」と釣り堀の継続を願っている。

 県が護岸工事の必要性を主張するのはもっともなこと。一方で、長く親しまれてきた釣り堀の文化が途絶えるのも惜しい。川の安全と川岸の文化は共存しないのか。

 川越市の30代男性会社員は月に5、6回吉羽園に通い、大会などにも参加している。「利用者にとっては憩いの場。釣りを通じてここで知り合った仲間も多い。もし施設がなくなるとすればとても寂しい」と語る。

 釣り堀の利用者は、県に対して話し合いによる問題解決を求める署名を集めており、その数は現在8千人に上っているという。

個人の意見

 毎週日曜昼1時~放送されているTBS『噂の東京マガジン』内“噂の現場”でも取り上げられましたし、ご存知の人も多いことでしょう。

 それにしても、Yahoo! ニュースにまで取り上げられるとは・・・。