「radiko.jp」エリアフリー化

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ITmedia ニュース 4月23日(水)12時46分配信


 ネット経由でラジオ放送を同時配信する「radiko.jp」で、エリアの枠を越え、全国で好きな放送局の番組を聴ける有料サービス「radiko.jpプレミアム(エリアフリー聴取)」(月額350円、税別)が4月1日にスタートした。全国のAM・FM60局が対応。東京でFM OSAKA(大阪)を聴いたり、北海道でニッポン放送(東京)を聴くなど、地域の枠を超えたリスニングが可能だ。


 エリアフリー機能はネットで大きな話題になり、「初動は予想以上だった」と運営するradikoの青木貴博業務推進室長は話す。同機能は、ユーザーニーズの高いサービスの導入を進めるradiko“第2フェーズ”の第1弾。今後は、放送終了後の番組を聴取できるタイムシフト機能の導入や、音質の向上にも取り組みたいという。

●スタートから4年 ユニークユーザー1300万人

 radikoは2010年3月からスタートしたAM/FMラジオ放送のネット配信サービス。「地上波の補完」という位置付けで、ビル陰などラジオ電波が入りにくい地域の難聴取対策を主目的とし、放送エリアに限定して配信してきた。

 ラジオ受信機を持っていない若年層などの聴取人口の拡大も狙いの1つ。現在の月間ユニークユーザーは1300万人。中心は30~40代男性だが、10代の利用も増えているという。スマートフォンによる聴取がPCを上回っており、若年層ほどスマートフォンからの利用率が高いという。

 これまでの4年間は、難聴取対策や配信システムの充実など基本的な整備を行ってきた「第1フェーズ」。この4月からは、ユーザーサービス向上を目的とした「第2フェーズ」に移行するとしており、その第1弾としてエリアフリーサービスを投入した。

●エリアフリー、「ものすごい数」の許諾得て実現 350円の理由は

 エリアフリーも「放送にできないことを通信で補う補完的役割の1つ」として企画。実現まで約1年かかったという。地域限定で配信していた放送を全国に配信するには、配信許諾を取り直す必要があり、放送局、番組出演者、スポーツ中継の対象になるスポーツチームなど「ものすごい数」のコンテンツホルダーに許諾を得る作業が必要だった。

 現時点でエリアフリーに対応しているのは、radiko参加68局のうち60局。残りの局は「検討中」だ。テレビチャンネルも持っている局で、ケーブルテレビ局の区域外再送信に同意していない場合、radikoのエリア外配信も見送っている例が多いという。また、ジャニーズ事務所のタレントが出演する番組など、一部の番組も許諾が得られておらず、配信していない。

 月額350円という料金は「高い」という声もある。「ユーザーのことだけを思えば無料で提供するのが一番だが、初期費用やサーバ費用、運用費もかかるため、無料提供は難しい」と青木氏。価格設定の詳細は明かさなかったが、参考として全国のFMラジオが聴けるサービス「LISMO WAVE」「ドコデモFM」が月額300円であることを挙げ、「radikoはFMだけでなく、AMラジオも聴ける」と話す。

 エリアフリー化により日本音楽著作権協会JASRAC)への支払い額が上がるため、有料化する必要があったと推測する向きもあったが、「配信に関するJASRACの規定には、有料/無料の概念はあるが、エリアの概念はない」ためその指摘は当たらないという。

 エリアフリー化はネットで大きな話題になり、同社が想定していた以上の登録があったという。「想定より評価をいただき、初動は予想より良かった」と感じている。

●次はタイムシフト機能? 「いつになるか分からないが実現したい」

 次は、放送終了後にも番組が聴ける、タイムシフト機能の実装に取り組みたいという。さまざまな権利者の理解を得、許諾を取る必要があるため「いつになるとは言えない」が、ラジオとSNSとの親和性の高さを生かし、ラジオ文化を維持・拡大するためにも実現したいという。

 「ラジオで放送された内容がSNSで拡散されることが増えている。拡散された情報を見た人が番組を聴きたくても、情報を見た時点で番組が終わっていれば聴けない。タイムシフト機能でそれを解消し、次の人、また次の人へと拡散させたい」。音質の向上や、番組のレコメンド機能の実装も検討している。

 ラジオをめぐる環境は厳しい状態が続く。ラジオ広告費は1991年(2400億円)がピークで、現在は半減。radikoに出資するラジオ局の経営も、厳しさを増している。「広告費を元に戻すのはかなり厳しいが、まずは下げ止まらせ、回復基調に乗せたい。舗装された道ではないのでつまづいたりするだろうが、次の手を打っていきたい」

個人の意見

 ラジオ大好き。

>月額350円という料金は「高い」という声もある。
>「ユーザーのことだけを思えば無料で提供するのが一番だが、初期費用やサーバ費用、運用費もかかるため、無料提供は難しい」と青木氏。
>価格設定の詳細は明かさなかったが、参考として全国のFMラジオが聴けるサービス「LISMO WAVE」「ドコデモFM」が月額300円であることを挙げ、「radikoはFMだけでなく、AMラジオも聴ける」と話す。

 350円、未だに悩んでいます。