名言とは2

 釣りの名言と言われるものに

「目が悪くなってくると指先の感じがよくなる」

 というものがある。

 どうも「ラインや疑似餌の動きを追っていた人が加齢で目が悪くなり脈釣り気味になっても、経験を積んでいるので相変わらずよく釣る」という意味に捉えるのが多いようだ。

 ヘラブナ釣りを愛好する自分の場合は、違う。

「目が悪くなってくると指先の感じがよくなる」

 若い頃はウキに表れる小さな変化でしかない「難しいアタリ」を追ってきたのが、年齢と共に様々な経験を積んだことによりハリ付けを含めたエサ合わせの腕が向上して、大きなアタリが出せるようになったという意味に捉えている。

 ある名手が、何でもアワせる若手の釣りを見たとき
「随分、目がいいんだな、オレはあんなアタリに手を出さないぞ」
という皮肉を言っていた。
 そのとき、この名言を思い出した。