江戸時代の釣りガールたち

江戸時代の女性が「夢中になりすぎた遊び」とは?
TOKYO FM+ 11月27日(金)12時0分配信
釣りの歴史は、古くは縄文時代までさかのぼります。そんな昔から、日本人は釣りをしていたんですね。江戸時代に入ると娯楽としての釣りが広まります。江戸っ子たちの主な釣りのスポットは、隅田川。ハゼを釣っていたそうです。しかも、楽しんでいたのは、男性だけではなかったようです。

江戸時代の武士は、釣りが大好きだったこと、ご存知ですか?
当時は平和な時代。
武士たちは暇を持て余していたものの、仕事なので遊ぶわけにもいかない……。
そんなとき、彼らは「精神鍛錬のための修行」と言い訳をして、釣りを楽しんでいました。

ですが、釣りを楽しんでいたのは、実は武士だけではありません。
なんと、女性の間でも流行したのです。
娯楽も少なかったこの時代、身近にある釣り場に友達と出かけることは、本当に楽しいイベントのひとつでした。

こんな句も残っています。
「大胆不敵 沖釣の後家 釣りに出たがる活な女房」
さらに、こんな句も。
「分散の 土蔵(くら)に内儀の 釣り道具」
分散とは倒産、内儀とはおかみさんのこと。
つまり、倒産した商店の蔵に、釣り道具が転がっていたが、旦那さんならともかく、おかみさんの釣り道具らしい、という句。
そりゃ倒産もするよ……という呆れた気持ちも感じ取れます。

このように、釣りは、当時、女性の間でとても流行していたため、浮世絵でも、釣りの絵は女性のものが圧倒的に多いようです。
また、この頃すでに、ガイドマップのようなものも販売されており、なかには季節に合わせた魚、おすすめの釣りポイント、釣具の解説、天気の読み方などが書かれていたそうですよ。

家業を忘れるほど、趣味に夢中になっていた
江戸時代の釣りガールたち。
なんだかとっても、楽しそうですね。


TOKYO FMの番組「シンクロのシティ」11月26日放送より)

文/岡本清香

個人の意見

>浮世絵でも、釣りの絵は女性のものが圧倒的に多いようです。

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