観音崎自然博物館「江戸のタナゴ釣り文化とそれを支えた人々」
江戸時代に作られた釣りざおなど、貴重な資料を紹介している特別展=観音崎自然博物館
カナロコ 5月8日(火)14時0分配信
横須賀市鴨居の観音崎自然博物館で、江戸時代に流行したタナゴ釣りの歴史などを紹介する特別展「江戸のタナゴ釣り文化とそれを支えた人々」が開催されている。200年以上前に作られた古い釣りざおなどの貴重な資料を公開している。26日まで。
タナゴは東アジアに広く分布するコイ科の小型淡水魚で、世界に四十数種、日本には約15種類が生息する。同博物館によると、近年は都市化などの影響で急激に減少し、絶滅が危ぶまれている種も少なくない。同博物館では30年近く前から国の天然記念物に指定されているミヤコタナゴなどの繁殖や、生息地の復元に力を入れている。
特別展では、1770年ごろに大名の間でタナゴ釣りが盛んになった当時の様子を伝えるイラストや解説文、戦後にタナゴ釣りを楽しむ人たちの写真などを紹介する約30枚のパネルを展示。
このほか、1788年創業の和竿(わざお)専門店「いなり町 東作本店」(東京都台東区)から提供を受けた計10点の釣りざおも見どころ。穂先に使われている細く削られたクジラのひげなど、小道具に施されている小細工も関心を引く。
同博物館の石鍋寿寛館長(57)は「タナゴ釣り文化の奥深さを感じてもらうとともに、絶滅が危ぶまれているタナゴの現状に目を向けてもらえたらうれしい」と話している。午前9時~午後5時。月曜日休館。入館料などの問い合わせは、同博物館電話046(841)1533。
個人の意見