お菓子い話題 1


10月27日17時1分配信 毎日新聞
 青山郁子記者(以下、記者に略)
「めっきり寒くなりました。今週は石川県の「本吉饅頭(もとよしまんじゅう)」です。饅頭、怖い」
おたふくさん(以下、おたふくに略)
「どうして本吉饅頭という名前なのかというと、この饅頭が作られている白山市美川町の古名が本吉であったからというのです。かつて、加賀藩の御蔵として年貢米や塩を収蔵し、藩米の積出港として、また全国の産物の集散地として一時代を築いた本吉浦の繁栄を饅頭の名としたのです。ちなみに明治5(1872)年、金沢県から石川県になった時、約1年間は美川町が県庁所在地でした。この饅頭を作っている石立屋さんのすぐそばには手取川が流れていますが、この川に石が多かったのが「石川」の名前の由来とも言われます」
 記者「へえ~、それは知りませんでした。美川といえば、かつて北陸道から見えた「美川県一の町」という看板ぐらいしか思い浮かびませんが、そんなに由緒正しい場所だったとは意外です」
 おたふく「あんは十勝産の一級品の小豆で、さらさずに作るので色が黒々としています。皮は水を使わず、米を炊くところから作る酒種のみで作るそうです。皮がふんわりとして酒の風味とあんの甘さが絶妙です」
 記者「酒まんじゅうといえば、富山にも竹林堂という老舗がありますが、本吉の方が味もにおいもマイルドですね。大きさは富山の方が大ぶりです。やはり和菓子は地方の風土がよく出ています。私はどちらも好きですが」
 おたふく「ところで、有名な東京・銀座の「木村屋」のあんパンは、古来からの酒饅頭と西洋から伝来のパンが組み合わさったものですね。パン生地を発酵させるときに、米と麹(こうじ)を使う酒種パンなのです。明治8年に明治天皇水戸藩下屋敷にお花見の折、奈良の吉野山の八重桜の塩漬けを取り寄せて桜あんぱんを考案し、それが現在も愛されているというわけです」
 記者「なるほどイーストの代わりに酒種と麹ですか。さすが日本人の知恵。私は木村屋さんのあんパンも大好きですが、そんな歴史があったとは知りませんでした。今月3日は中秋の名月。月のきれいな夜に食べると一層おいしさの増す一品でした。しかし夜に甘い物を食べるのはダイエットにはよくありません」
 ■さらに一言
 おすそ分けしてもらった本吉饅頭。一口食べて「味が艶(つや)っぽい」とつぶやいたら、おたふくさんから本吉浦の花街の歴史を教えられた。食は文化。お菓子も長い歴史の上に成り立っていると妙に納得。(祥)

10月27日朝刊


毎日新聞 2009年10月24日 地方版

 全国和菓子協会(事務局・東京都渋谷区)主催の技術コンクール「選・和菓子職」で、成田市上町の老舗和菓子店「なごみの米屋」の職人、庄田美保さん(41)が「優秀和菓子職」に認定された。同店では昨年、一昨年に続く3人目の認定。諸岡靖彦社長は「大変喜ばしいこと」と話している。【豊田留里】

 ◇「おいしさ伝えたい」

 庄田さんは日本菓子専門学校(東京都世田谷区)を卒業後、同校で指導者として7年勤務した経験を持つ。退職後はしばらく和菓子の世界から離れていたが、昨年4月からなごみの米屋で和菓子職人としてのキャリアを再開。同社が開催する菓子教室の講師も務めている。

 「選・和菓子職」は、和菓子技術の伝承と優れた職人の顕彰を目的に07年に創設。今年度は23都道府県から84人が参加した。まんじゅうなど3種類の提出作品による7月の1次審査で42人に絞られた。さらに、8月の最終審査では「光」をテーマとする創作菓子の実技審査があり、13人が今年度の優秀和菓子職に選ばれた。

 庄田さんは「先輩たちの連続受賞のプレッシャーがあって大変だったが、最終審査ではどんな課題が出ても対応できるようにと準備した。これからも和菓子のおいしさを伝えていきたい」と話している。

個人の意見

 気になる話題だったので、スクラップしました。
「なごみの米屋」の庄田美保さん、認定おめでとうございます。