「かわいすぎる海女」脳内のイメージは山口百恵さんか、三島由紀夫「潮騒」の世界
1月9日18時20分配信 産経新聞
昨年夏、「かわいすぎる」とネット上などで大人気となった19歳の「北限の海女」コンビ。シーズン後も地元・岩手県久慈市のイベントや各地の岩手県産品フェアなどに登場し、深刻な経済低迷が続く地域の活性化に一役も二役も買っている。(中川真)
7~9月には観光用にウニを捕獲する実演も行われる。ここで昨夏、修業を始めたのが、地元の高校を卒業したばかりの大向美咲さんと小袖妃香理(ひかり)さん。
素朴な健康美が人気を呼び、夏の海岸はマスコミや観光客、熱心なファンらでにぎわった。
久慈地方は今冬、平年よりも雪が多く、ふぶく日も多い。
だが、季節は変わっても2人の人気は健在。昨秋から県の依頼で、首都圏や名古屋などで行われた県産品フェアに参加し、海女さん姿で岩手の魅力を訴え続けている。
会場では、「夏に久慈に旅行して親切にしてもらった。お礼を言いたくて」と再会を果たした中年女性もいたという。2人も「知らない所に行き多くの人と出会えるのが楽しい」(大向さん)と話す。
2010年もイベントへの参加は続く予定で、今月20日は仙台市内のスーパーで久慈の物産をPRするという。
2人が地元で重用される背景には、「経済状況の厳しい地域を何とか元気づけてほしい」という思いもある。
岩手県の昨年11月の有効求人倍率は、全国43位の0・34倍。特に、大企業がない久慈地方では若者が働く場は極めて少なく、「11人の幼なじみで地元に残ったのは私たち2人だけだった」(小袖さん)という状況だ。それだけに、若い2人が生き生きと頑張る姿は、数少ない明るいニュースとなっている。
2人のうち、ネットなどで最初に脚光を浴びた大向さんは昨年10月、久慈市役所の臨時職員に採用された。
「観光案内人」として市内の観光施設「もぐらんぴあ」に勤務する。「久慈のPRに頑張りたい」と意気込んでいる。「もぐらんぴあ」は石油備蓄基地の地下を活用した人気観光スポットで、地下水族館などがある。
大向さんは飼育員から魚の知識などを学ぶガイド修業の日々だ。普段は私服姿で仕事をしているせいか、「北限の海女だと気づかない観光客も多いみたいですよ」(市商工観光課の中村有賀さん)。
昨年末のクリスマスイベントには、サンタクロースとともに海女姿で登場。水槽に入って「もぐり」を披露した。イベントには、市内の会社で働く小袖さんも「会社が休みだから」と快く参加した。
大向さんは今月1~11日の間、特別に絣の半纏(はんてん)の海女姿で水族館の案内を行っており、入館者の質問や写真撮影に気楽に応じているという。
昨夏は新人で、「先輩たちのように深くまで潜れなかった」という2人だが、今夏も「潜りたい」と話している。海女修業は厳しいが、一層の活躍が期待されている。
個人の意見
「その火を飛び越えてこい」といわれたら、越えられそうです。
全然違う意味で、私は貝になりたい。