フナの稚魚放流で、水田の微生物倍増


2月19日16時1分配信 毎日新聞
 琵琶湖の固有種で、ふなずしの材料として知られるニゴロブナの稚魚を水田に放流すると、水田内の微生物が増えることが、琵琶湖博物館草津市)と中央農業総合研究センター(茨城県)の実験で分かった。ニゴロブナを増やすため、今後、稲の生育などへの影響を調べていくという。
 実験は07年5~6月、安土町の県農業技術振興センターで行われ、ふ化後数日の稚魚(体長約5ミリ)を放流する水田と放流しない水田を用意。ニゴロブナが約3センチに成長した1カ月後、水田の水を採取して微生物の数を比べた。その結果、放流した水田ではニゴロブナの餌となるミジンコがほぼいなくなったが、ミジンコが捕食していたミドリムシなどの原生動物が倍増していた。
 ニゴロブナはヨシ帯の減少や外来魚の増加で数が減少。県は、外来魚のいない水田で数を増やそうと、水田に遡上(そじょう)できるよう琵琶湖に通じる排水路の整備を進めており、同博物館などが水田の生態系への影響を調べていた。
 同博物館の大塚泰介主任学芸員(42)は「ニゴロブナの放流が水稲栽培にどんな影響を与えるか、さらに詳しく調査したい」と話している。【後藤由耶】

2月19日朝刊

個人の意見

 昔は水田脇の水路に、小ブナが随分いましたね。