スモールが多摩川で増えている?

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7月20日10時0分配信 カナロコ


 神奈川と東京の都県境を流れる多摩川で、アユなど在来種の生態への影響が懸念されている肉食外来魚でブラックバスの一種「コクチバス」が急激に増えていることが、多摩川の生態系を継続調査している専門家の指摘で分かった。数十万匹が生息していると推測される上、有効な駆除策がなく、「多摩川の歴史が変わるといっても過言ではない一大事」と在来種への影響に危機感を募らせている。

 川崎市多摩区在住で、約30年前から多摩川の環境調査などを続けている淡水魚研究家(51)は2007年9月、コクチバスを初めて確認。「ブラックバスは釣り人に人気があり、上流で何者かが放流したのでは」と推測する。コクチバスは今年に入って急増。投網を使った7月5日の調査では、直径約6メートルの網に約100匹の稚魚を確認した。稚魚の胃の内容物を確かめたところ、ハゼやモツゴが見つかった。

 研究家は「昨年秋から大きな増水がなかったため、大増殖したのではないか。これまでにグッピーなどの外来魚が確認されているが、これほど多くいるのは初めて。多摩川全域で数十万匹にまで増えている」と推測する。

 魚が遡上(そじょう)する魚道の出口でコクチバスがアユを食べているところも確認されている。研究家は「今のところ、アユの生態に大きな変化はないが、今年の稚魚が育った2、3年後が危ない。アユだけでなく、レッドデータブックに載っているような生物にも影響を与える可能性がある」と指摘する。

 研究家は県や東京都、環境省などにコクチバスの個体数増加について報告。これを受け、県水産技術センターは近く確認調査に乗り出す方針だ。全国では琵琶湖(滋賀県)や野尻湖(長野県)、荒川(東京都)などで生息、繁殖が報告されている。

 湖沼や池で外来魚の一斉駆除が行われることが多いが、河川では効果的な駆除は難しいという。今のところ、人手をかけて釣り上げるしかない。研究家が総代を務める川崎河川漁業協同組合は、8月にもコクチバス駆除のための釣り大会を実施する計画だ。

個人の意見

>今のところ、人手をかけて釣り上げるしかない

 最近の駆除方法や、その結果を見ていると、最善の方法、最も効率のいい方法が「釣り」というのは頷けます。